断腸亭料理日記2006
10月21日(土)夜食
夕方、鶏皮で呑んで、ししとうがあったので
酔っ払ったまま、煮びたしを作って、
そのまま寝てしまった。
21時過ぎ、起きる。
外出していた妻は、帰宅し、鶏皮ぽん酢は
筆者が、食べきってしまっていたが、鶏皮を煮たものは、
食べていたようである。
なにを食べようか。
考えていると、蕪、が、思い浮かんだ。
今はむろん年中あるが、そろそろ
大根同様、蕪も季節であろう。
(今は、本当に、季節がわからなくなったものである。
蕪も大根も、冬が季節であった。)
東京では、蕪といえば、昔から、小かぶ。
金町(かなまち)小かぶ、というのが、
立派な東京の伝統野菜であった。
金町は、いうまでもなく、葛飾区の金町。
小かぶは、今は全国で栽培されているらしい。
しかし、みな、この金町小かぶが広まったものであるという。
蕪というのは、うまいものである。
蕪自体もうまいが、葉も、塩でもんでだだけでもうまい。
漬物もうまい。糠漬けもよいし、塩漬けでもよい。
さて、蕪。なにがよかろう。
簡単だが、やはり味噌汁が一番であろうか。
腹も減ったし、前にも作ったが、船頭飯、にしようか。
船頭飯、などと、洒落た名前だが、
ようは、蕪の味噌汁を煮崩したものの、汁かけ飯、で、ある。
原典は、やはり、池波レシピ。「仕掛人 藤枝梅安」に登場する。
蕪というもの、煮ると、あっという間に、煮崩れる。
しかし、煮崩れた蕪もまた、うまい。
蕪を買いに出る。(三筋のヤマザキ)
出汁は鰹よりも、煮干にしよう。
煮干は、ちょうど切れていたので、煮干も買う。
作る。
煮干の出汁。
頭とはらわたを取って、空煎り。
鍋に水を張り、煮干を入れ、30分浸す。
この間に、蕪は葉を落とす。
葉をきれいに洗い、半分は細かく切る。
この半分は塩もみし、置いておく。
もう半分は、味噌汁用。
味噌汁用の蕪は煮崩れやすいように、皮をむく。
塩漬けも食べたいので、二つだけ、取り、スライス。
お椀に入れ、塩もみし、昆布をはさみで細かく切って入れ、
ラップをし、重しもする。2〜3日で食べごろであろう。
30分経った。煮干の出汁はよかろう。
蕪から煮る。
またまた、軽く、圧力鍋で。
煮干を入れたまま、蕪を入れ(葉は煮崩さないので、後から。)
五分ほど、圧力をかけて加熱。
蒸気が抜けるまで15分ほど。
開けてみると、大分柔らかくなっている。
煮崩れるところである。
OK。
葉を切って入れ、火を通し、味噌を溶く。
これで、味噌汁は完成。
飯は、冷蔵庫にあった冷や飯。
レンジで温め、一度湯通しし、ぬめりを取って、丼に盛る。
味噌汁は、もう一度加熱、沸騰寸前で止め、
飯の上から、たっぷりと、かける。
完成。
今日の味噌は、信州味噌(ハナマルキ)。
ごく普通のものでよかろうが、やはり、汁かけ飯にする場合は、
濃い目が、あっているように思う。
塩もみした、蕪の葉、夕方作ったししとうの煮びたしも出す。
最初から、煮崩すことを目指した蕪、の料理、
(料理といえるかどうかも、怪しいが、、)も、珍しい。
だが、やはり、煮崩した蕪は、うまいものである。
蕪の葉も、即席で食べるには、細かめに切った方がうまい。
ししとうの煮びたし。
これは、多目の油で炒め、濃く取った鰹出汁にしょうゆ、酒で味付け、
軽く煮て、置いたもの。
濃い味にせずとも、出汁が濃く出ていれば、なかなか、うまい。
どれも、ありふれたものだが、うまい飯で、ある。
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