断腸亭料理日記2006
11月12日(日)
さて、前配信号で書いたが、NHKの取材。
と、書くと、何事か、という感じであるが、
NHKでも海外向けに衛星で放送している国際放送。
筆者なども海外旅行にいったときなどには、ホテルで見たこともある。
1チャンネルだけであったかと思うが、ニュースやら、ドラマなど
国内向けと同じ番組に加えて、再放送のドラマや、少ないがオリジナルの
番組もある。
その一つで「ウィークエンド・ジャパノロジー」という番組。
ピーター・バラカンさんと菊地真美さんの司会で、
日本を海外に紹介するという趣旨。
国内向けには、筆者は見たことがあったが、
日曜の深夜、BSで、月遅れで再放送をしている。
そこで、鍋。
着物を着て、池波正太郎作品に登場する、鍋を作ってほしいという。
今のところ、断腸亭としては、なんでも引き受けてしまう。
見つけて、声を掛けてくださったというだけで、ありがたい、と
思ってはいる。
それはよいのだが、数日前に連絡がきて、
この土日に、取材(撮影)、と、いうこと。
まあ、やるしかないであろう。
相談の結果、最もオーソドックスなところで「軍鶏鍋」。
そして、もう一品、「浅利と大根の鍋」。
「軍鶏鍋」は、いわずと知れた、鬼平犯科帳、
本所二つ目軍鶏鍋や「五鉄」の看板。
「浅利と」の方は、ディレクター氏の好みのようである。
材料は、昨日、浅草松屋で調達。
13:00から、撮影隊がきて、撮影とのこと。
事前に「なにか界隈、屋外で、池波作品っぽい感じの
ところはありませんか」という質問を受けていた。
撮影隊は、20分ほど早く、到着。
界隈で、雰囲気のある場所、といっても、
元浅草あたり、基本的には、オフィス街で、
なかなか、ないのだが、、
一つ、思い付いた場所があった。
ほんの少しであるが、長屋っぽいところが、ある。
そして、下谷神社なども、まあ、多少の雰囲気はあるか。
そう話をすると、
「じゃあ」と、いうことで、着物を着るようにいわれ、
ディレクター氏、カメラマン、音声さん四人で、出かける。
下谷神社脇の路地で、2シーンほどと、
元浅草の、古い長屋っぽい、建物の前で、1シーン。
筆者が着物を着て、下駄を履いて、ただ歩いている、と、いう姿。
そして、拙亭に戻り、簡単なインタビュー。
なぜ、池波正太郎作品の料理を再現するのか?など。
そして、2品、作る。
とはいっても、鍋である。料理というほどのものでもない。
一応、皿に盛った材料を撮る。
「軍鶏鍋」は、火鉢。
「浅利と大根」は、七輪で、ということであった。
ガスで火を熾(おこ)した炭を移しかえるところ。
鍋に、材料を入れ、調味料を入れ、煮始めるところ、など、
過程を、羽織を脱ぎ、襷(たすき)をかけ、
白い前掛けをして、撮る。
そして、できあがって、襷と前掛けをはずして、
うまそうに、食べる。
そんなシーンを撮った。
「軍鶏鍋」も、「浅利と大根の鍋」も、それぞれ、
うまくでき、実際に、食べ、うまかった。
ことに、「大根と浅蜊」は、よかった。
以前に作った時には、豆腐を入れたりしているが、
今回は原作、藤枝梅安(梅安最合傘)通りに大根と浅蜊むきみのみ。
これがよかったのか、山椒がよかったのか、大根も
浅蜊も、つゆも、どれも格別であった。
そして、最後、食い終わり、煙管(キセル)を吹かしている、
というような、イメージシーン。
全部終了したのが、17:00。
全部で3分ほどらしいが、なかなか、時間が掛かるものである。
いやいや、かなり疲れた。
撮影隊が帰った後、そのまま、そこで、
転寝(うたたね)をしてしまった。
その後、夜、残った、二つの鍋を、内儀(かみ)さんと食った。
(↓これいまひとつ、うまそうに、見えない、、か。でも、うまい。)
全体を通して、なにか、断腸亭プロモーションビデオ
を撮っているような、そんな感じもした。
さて、どんな風に、仕上がっているのか。
、、、それにしても、疲れた、、、。
(海外向けの放映は、12月、国内向けは、1月、らしい。
テープは今週一杯にでき、送ってくれるという。
詳細日程などわかれば、また、ここで報告したい。)
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