断腸亭料理日記2006

タルタル・ステーキ

6月12日(月)夜

終わってから、この文章を書いているのだが、
残念で、ある。
むろんのこと、ワールドカップ、の、こと。



普段は、サッカーはもとより、スポーツには
まったくといってよいほど、興味がない。
スポーツニュースは視ない。
世間話として、野球の話などが出ても、ほとんど会話にならない。
まあ、そんな人間がいても、よいではないか、と、思っている。

しかし、オリンピックと、ワールドカップだけは、別。
どうしても、見てしまう。
日本人としての、なにか、血が騒いでしまう、の、かもしれぬ。


今日は、ワールドカップ。
家でゆっくり観よう。

で、あれば、なにを食おうか。

ドイツワールドカップ記念、で、ある。

ドイツ料理と、いうと、ハンバーグ?
ソーセージ?ザワークラウト?
うーむ、ハンバーグ以外は、自作はできない。
かといって、ハンバーグでは、イマイチ。

で、あれば、、、生のハンバーグ。
タルタル・ステーキ、は、どうだろうか。

ご存知だろうか?
タルタルソース、ではない。ステーキ。
牛生肉のハンバーグというのか、焼いていない、
ハンバーグである。

何回か作っている。

この日記は名古屋時代のもの

生の牛肉を買う。
これには慎重を期さねばならない。
たいした根拠はないが、やはり、デパートであれば、まあ、安心だろう。
帰り道の、上野松坂屋。
閉店が19:30なので、慌ててオフィスを出て、向かう。
タルタルステーキは、牛バラ肉。カルビ、で、ある。
欧米ではそうでもないのだろうが、日本ではこれは、高価、で、ある。
売っているのは、むろんのこと、霜降り。
本当は、霜降りである必要はなかろう。
いや、むしろ、欧米であれば、赤身の方が普通であろう。
しかし、デパートで牛肉を求めれば霜降りになってしまう。
100g、880円のもの、150g購入。
この他に材料は、ケッパー、アンチョビを購入。

帰宅。

玉ねぎ1/4をみじん切り。
肉をみじん切りから、叩く。
ケッパー(スモークサーモンなどに合わせる
酢漬けの黒っぽい粒である。)10粒程度をみじん切り。
アンチョビ。入れ過ぎると塩辛くなろう。
2枚ほど、同じくみじんに切る。

これらを合わせる。
塩、胡椒、オリーブオイル。
よく混ぜ合わせる。

味見。
よいかな。

皿に盛り、上に卵黄を載せる。



赤ワイン、であろう。
チリ産の安いものだが、口を切る。
クラッカーを添える。

写真は、150g分である。
霜降りの牛肉であるから、脂分も多い。
混ぜ合わせて馴染んでくると脂分は柔らかくなってくる。
しかし、いかにも、生肉。
動物を食らっている、という感じである。
肉を頬ばり、クラッカーを食い、赤ワインを流し込む。
ヘビーな食い物であることは間違いない。
赤ワインをガンガン呑む。

タルタルとは、タタール(韃靼(だつたん))人の、という意味である。
ヨーロッパでタタール人というと、モンゴルから、中央アジア系の人々を
漫然と指すようである。
遊牧民の彼らが、生の馬や牛の肉をこうして食べていた、という説と、
単に、野蛮な食い方であるから、と、いう説もあるという。
(参考:ウィキペディア)

まずくはないが、たくさんは食えない。
100gを食えば十分。後は、妻に残す。

さて、ワールドカップ、豪州戦。
食い終わって、観たわけであるが、結果はご存知の通り。
ドーハの悲劇を思い出してしまった。

ドイツワールドカップ初戦記念、タルタルステーキ。
気勢の上がらぬ、記念になってしまった。



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