断腸亭料理日記2006

クリームコロッケ

7月17日(月)海の日 夜

さて、クリームコロッケ、で、ある。

よく、料理の本に「ポテトコロッケができたら、次はクリームコロッケ」と
いう見出しで、あるいは、基本のおかず、などというところに
クリームコロッケは載っていたりする。
しかし、本当にそんなふうに、思っている料理研究家、などいたら、
素人の料理のレベル、を知らない人である。
と、筆者は断言しよう。

クリームコロッケが、ポテトコロッケの次にくるメニューであるはずがない。
芋をつぶして、丸めて、衣を付けて、揚げればできるポテトコロッケは
たいしたコツはいらない。
(キテレツ大百科のテーマソングでも歌っているくらいである。)
しかし、クリームコロッケはそんなに簡単なものではない。
ホワイトソースから作れば、かなりの手間でもあるし、
また、できたソースを冷やし、固まるまでの時間もかかる。

筆者など、何度失敗したことか。いや、はっきりいうと、完成したことはない。
以前には、揚げて、食べてみたら、ソースが固まってしまって、
ただの、小麦粉ダンゴになってしまったこともある。

(これは、かなりのショックであった。)

ともあれ、筆者、クリームコロッケが好きなのである。
最近であれば、資生堂パーラーで食べた。

作り始めたのは、15日(土)深夜から。
どうしたわけか、急にクリームコロッケ、
と、いうよりは、ホワイトソースの食い物が食いたくなり、
作り始めたのである。

グラタンでもよいのだが、季節的にコロッケにしようと、考えた。
先にも書いたが、何度も失敗しているので、
筆者にとっては、意を決して、の挑戦でもある。

まずは、ホワイトソースから。

これはテフロンのフライパン。
小麦粉1カップほどに、サラダオイルを適当に入れ、弱火で炒める。
この油は、バター、が本当なのであろうが、
多少、身体のことを考えて、最近はサラダオイルにしている。
そして、適量がなかなかわからない。
むろん、量ればよいのだろうが、そんなことはしない。
従って、いつも、多め。
少な目であると、最悪の場合、先にも書いたが、
後で加熱したときに、ダンゴになってしまうのである。

粉っぽさがなくなり、サラサラになるまで。
油の量が多目であれば、これは時間さえかければ、
誰でも簡単にできる。
(20分以上はかかるであろう。)

さらさらになったら、牛乳、水、1対1、を加熱し、
コンソメ、香り付けにローリエを入れ、しばらく置く。

そして、ここが少しポイント。
この牛乳スープで、フライパンの炒めた小麦粉を伸ばすわけだが、
この時、フライパンとの温度差が、少ない方が、よいのである。
温度差が多いと、固まりやすいのである。

そして、合わせるのは少しずつ。木のへらで混ぜ合わせながら、
ゆっくりと、入れていく。

あれま、、。用意した牛乳スープを全部合わせたら、
かなり緩くなってしまった。これはしばらく放置。
追加で小麦粉を炒め直す。
今度は、サラダオイルではなく、バターにする。
炒め終わり、もう一度、温度を合わせ、
ソースに合わせる。
そこそこ、堅くなった。
今回はコロッケのため、かなり固めにしなくてはならない。
ベシャメルソースは冷やせば、固まるのだが、
ただ固まればよいのではない。
コロッケの形に手で成形できるほど固くならなければならない。
グラタン程度の固さイメージでは冷やしても成形はできない。
これも、今まで、何回も失敗をしたところである。

ソースは一度プラスチック容器に入れ、粗熱を取り、
冷蔵庫に入れておく。
一日目はここまで。

さて、翌日。
様子を見てみると、そこそこ、固い感じであるが、
どうなのであろうか、成形できるであろうか、、。
もう一つ、手で握れるような感じではない。

ともあれ、具もなにも入れていなかった。
資生堂パーラーを思い出し、鶏肉と玉ねぎに決める。

鶏もも肉を1cm角程度に切り、玉ねぎは大き目のみじん切り。
これも、バターで炒め、ブランデーで香りを付け、塩胡椒。
バターを使った方が、より、固くなるかもしれぬ、という思い付きである。

冷蔵庫から一度ソースを出し、レンジで軽く温め、
炒めた鶏肉を合わせる。
もう一回、冷蔵庫へ。

そして17日夜。なんと三日がかりになってしまった。

夕方、冷蔵庫から出して様子を見てみる。
バターの成果であろうか、少し固くなった。
握れそうである。

よし、コロッケの準備である。
冷水で卵を溶き、小麦粉を混ぜ、衣の用意。
パン粉をプラスチック容器に用意。
揚げ油も用意。今日は、ラードではなく、普通のサラダ油。

固まったソースを一個分、スプーンで取り、手で丸める。
ぐずぐずしていると掌の温度で、溶けてくる。
すぐに、衣に入れ、よくまとわせ、パン粉へ。
全体に、まんべんなく、パン粉をつける。
ここまでくれば、もう大丈夫。ひと安心である。
溶けてくることはなかろう。
都合六個分作る。

揚げる。
ポテトコロッケ同様、これも比較的高温で、さっと、揚げる。

問題なく終了。

さて、包丁で切ってみる。
以前には、ここで、ダンゴになっていたのである。

サクッと、切れた。
トロッと、クリームが出てきた!
よかった、よかった。
断腸亭、初のクリームコロッケ、成功である。


食べる。

ちょっと、味が濃かった、、、、。
(むろん、食べられない味ではない。)
具材を含め、後半、随分と、バターを使った。
バターの入れ過ぎ、と、いうよりは、無塩バターでなければならなかった。

まあ、ソースもケチャップもなにもいらない、と、思えばよいか。
今回は、とりあえず、完成したことで、よしとせねばなるまい。

長くなってしまったが、宿願のクリームコロッケ完成の大団円である。




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