断腸亭料理日記2006

本所・石原・

レストラン・クインベル

2月1日(水)夜

さて、本所石原のレストランクインベル、で、ある。

前回は11月。

今日は、なにか、オムライスが食べたかったのである。
トッロッとしたたまご。
思い浮かんだのは、クインベル、であった。
前回のドライカレーのオムライスが、うまかった。

筆者、半熟たまごというものは、左程に好物でもないが、
ここのオムライスには、驚かされた。
オムライスというもののイメージを、塗り替えるほどに、うまかった。

ここの営業は、22時までと、遅い。
20時前、オフィスを出る。

今日は一日、冷たい雨。
まだ降っている。

時折、風も吹き、寒い。

大江戸線で筆者の最寄駅、新御徒町を過ぎ、蔵前、両国、と、二駅目。
地図でいうと、隅田川を渡って、気持ち南下、で、ある。
JRの両国駅からはだいぶあるが、
大江戸線の両国駅がクインベルには、最も近い。

大江戸線の北出口を上がって、清洲橋通りを北上。
蔵前橋通りを右に曲がって、すぐに右側に見える。

20時半。先客は、二組。
サラリーマンの夕飯らしき四人組。
そして、50代のサラリーマンと、20代でもなく、40代でもない、
と、思われる一見地味そうな、メガネの女性という、不思議な二人組み。
(20代でもなく、40代でもない、などと、回りくどい書き方を
しないで、30代と、書けばよいのだが、このあたり、微妙に、
わからない、のである。地味そうで、メガネ、というのだけは確かである、
ということなのである。いや、ほんとうに、女性の年齢はわからない。)

ともあれ、前回、は休日で満席であったが、平日の、それも雨の夜は、
こんな感じなので、あろう。

店に入ると、シェフは外に出て、サービスをしている。
厨房は、弟子に任せて、充分なのであろう。

さて、ビール中瓶。
スーパードライ、で、ある。

つまみ、は、なにがよかろう。
シェフに、お勧め、を聞いてみる。

「温かいところなら、つぶ貝か、エスカルゴ。
冷たいところなら、あんこう、ですかね、、。」

基本的に、この方は、無口、なのか、
シャイなのか、、。

前回、厨房内の会話を聞いていると、歯切れのよい江戸弁、が
聞こえたような、、。江戸っ子は、シャイ、そういうことか、、。

まあよい。
なにか、たびたび食べているようだが、あんこう、でいってみよう。
メニュー名は「あんこうきものテリーヌ」、で、ある。

テリーヌ、というよりは、そのまま、あんきも、で、ある。
厚さ1cmほど、縦5cm、横幅12cmほどのあんきもが二つ。
まわりには、昆布が巻かれ、オリーブオイルにケッパーの微塵切り、
フレッシュなトマトのピュアレ、オリーブのスライス、
酢漬けの黄色いパプリカなどがあしらわれている。
(ケッパーは、スモークサーモンなどについてくる、
酢漬けの小さな粒、で、ある。)

あんきもは、このところ、いせ源、太助、
そして、自分でも先週、作って食べていたりする。
自作はともかく、他二つは、ポン酢しょうゆである。

こうして、洋風の味付けで食べるのは初めてである。
ここのものは、もちろん、生臭くはない。
そして、思いのほか、さっぱりと、食べられ、
うまい。

さて、ビールも呑み終わり、
お目当てのオムライス、で、ある。

このきれいに盛りつけられた皿が前に置かれると、
期待で、胸がおどり、また、幸せな気分になる。

デミグラスソースと、ふわふわ、とろとろの卵、
ピリッとした、ドライカレー、そして、ケチャップ。

それらが、渾然一体となって、口の中で広がる。

やはり、これは、至福のひと時、といわずして、
なんであろう。

食べ終わってしまうのが、惜しくなる、
そんな、一皿。

なにも言葉がない。


さて、お勘定、¥3100。

帰りは、目の前のバス停から、都バス、都02系統、(錦糸町→大塚)
(こんな時間でも10分間隔で運転している)で、帰宅。



住所 (〒130-0011)東京都墨田区石原1丁目25−5
電話番号 03-3623-1222




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