断腸亭料理日記2006

断腸亭、メキシコ・カンクン、

コスメルへいく。その2

さて、昨日に引続き、断腸亭の夏休み、メキシコ・カンクン、コスメル。
今日は、食い物のこと。

食うところというと、コスメルはホテル内のレストランと、
島で一箇所のダウンタウンのいくつかのローカルレストラン。

ロスカボスよりも、ホテルもダウンタウンも規模が小さいため
選択肢は少なかったかもしれない。
豪華クルーズ船も着くので、ハードロックカフェなど、
アメリカ人好みの、大きくて派手なナイトクラブもある。
(筆者らにはあまり、縁はない。
余談だが、東京にもあるが、なにがうれしいくって、
アメリカ人という人達は世界中にこんなものを
たくさん作るのであろうか。日本人が世界中どこへいっても、
日本食を食べたくなるというのと、同じであろうか。
世界中に作って、自分達も遊びに行くし、
ビジネスと同時に、文化を含めて輸出もしたい。そういうこと、か。
それにしても、まったく同じものを作らなくともよいではないか。
芸がなさすぎる。いや、同じものを作るところに、意味があるのか。
だとしたら、同じものを作って安心したい、というセンス自体が
“芸がない”だろう。しかし、そんな姿こそが、「世界の盟主」を
自認する今のアメリカ人ということなのであろう。)

ホテル内のレストランはやはり、基本的に高いが、
メキシカンフードをオーダーすれば味は、はずれない。

ダウンタウンのレストランはリゾートかつ、離島であり、
ロスカボスよりもさらに、気持ち高めの印象であった。
(しかし、ホテルの2/3程度ではある。)
タコスの一品メニューで、60〜70ペソ(¥600〜700)
程度である。

そして、地域的な差、で、あろうか、
同じメキシコでも昨年のロスカボスとは、微妙に違っていた。
レストランで座るとまず、トスターダスという物が出る。
これは、とうもろこしのトルティージャを油で揚げたチップと
生のトマトと玉ねぎのみじん切りに、生のコリアンダーが入る、
サルサ・メヒカーナが付いてくる。
ロスカボスではこのサルサ・メヒカーナにさらに
グアカモーレというアボカドのサルサ(ソース)がほとんど
付いてきたような気がしたが、トスターダスとは
別のことが比較的多かったようだ。(むろんメニューにはあり、
また、付け合せなどに出てくることはある。)


↑↓これは、ダウンタウン、正しい名前はサンミゲルという名前の町、
のローカルの人々にも使われている
カサ・デニスというローカルレストラン。

創業1945年という。

太平洋岸の町、ロスカボスとの最大の違いは、小麦のトルティージャが
付いてこないことが多い
(いや今回は一度も出てこなかった。)、と、いうこと。
(昨年は、トルティージャとはなんであるか?ということで
筆者も随分悩んだのだが、そもそも、トルティージャ自体は、
とうもろこしでも小麦粉でも平たくし伸ばした皮はすべてトルティージャと
いうようで、とうもろこしのそれを揚げたチップがトスターダスという。)

小麦のトルティージャはタコスで包む皮、といえば、わかりやすかろう。

ロスカボスでは、トスターダスのセットに加えて、座ると
この小麦粉のトルティージャも必ず付いてきていた。

こちらでは小麦があまり栽培されていなかったのか、
習慣なのであろう。
むろん、タコスはあるので小麦のトルティージャ自体は
食べるのだが、ロスカボスあたりほど大量には食べない
と、いうことであろう。

さて、このカサ・デニスで食べた、タコス。


正確な名前は忘れてしまったのだが、
ユカタンタコス、マヤタコスというような、ローカルな地域名のついた、
名前であったような記憶がある。肉はチキンである。
ソース(味付け)に少し特徴がある。
日本で売られている、ドリトスのような、ナチョスチップスにありそうな、
あのスパイシーで濃い味。(おわかりになるであろうか、、。)
もともと、“あの”味は、この地域あたりの味であったのであろうか。
(いわゆる、チリソース、と、いう範疇に入るのであろうが、
辛いだけではない、あの“濃い感じ”はどこからくるのだろうか。
また、疑問ができてしまった、、。)

さて、次に、スープ。

これは、ライム・スープ。ソパ・デ・リマ、という。
リマとは小さいライムのことであるという。
ユカタン半島を中心としたこの地域はライムの栽培が盛んで
このライムスープはどこにでもある。

味付けはトマトベースで、酸味がある。
だしは、チキンだったり、ポークだったり、いろいろだが、
はずれがなく、どこもうまい。
揚げたコーンのトルティージャも入る。

同じようにポピュラーなスープにトルティージャスープ、というのがある。
ロスカボスでも気に入ってよく食べていた。
これは、味も、トルティージャが入るものも、
ライムスープとほぼ同じようなものなのだが
チーズが入る、アボガドが入る、といった具合で、
ライムスープのグレードアップ版、そんな感じであろうか。

これは、ホテル、フィエスタアメリカーナ内レストランのランチの
トルティージャスープ。

トルティージャが入るので、これらのスープだけでも
けっこう腹にたまるのである。
メキシコでは我々二人、内儀さんと筆者で、
タコス一品とスープ一品で一食になってしまう。
トスターダスがあるためこれで充分なのである。

コスメルでは、先に書いたように、タコスをオーダーしないと
小麦のトルティージャが出てこないため、腹に入るのは、
コーンのトルティージャのみで、とうもろこし腹。
ひょっとすると、3食とうもろこしのみ。
そんなことにもなってしまう。
なるほど、これがとうもろこしを主食とする食文化であるか、
などと、妙に納得してしまった。

さて、今日は、ここまで。
断腸亭、メキシコへ行く、明日も続く。



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