断腸亭料理日記2006

断腸亭、メキシコ・カンクン、

コスメルへいく。その4

さて、4回目になってしまった、メキシコへダイビングに行った、
断腸亭の夏休み。
昨日まではカリブ海の離島、コスメル島で5泊、ダイビング。
6日目はメキシコ本土ユカタン半島に移動し、セノーテと呼ばれる
泉であり、地下洞窟での淡水ダイビング。(これは寒く暗く、きつかった。)
そして、この日、世界でも指折りのリゾート地、カンクンへ入る。

さて、カンクン。
リッツ・カールトン、メリディアン、ヒルトン、ハイアット、
マリオット、etc.世界の名だたる高級ホテルが
ラグーンの外縁部の細い砂洲にどん、どん、どん、と、そびえ立っている。
(筆者らが泊まったホテルはそこまで有名なところではない。
ドリームズというところ。)

翌日は、じんべいざめツアーである。

前日のセノーテは散々であった
(セノーテや、ダイブショップの責任ではない。選んだ我々の責任である。
彼らの名誉のために重ねて付言する。)

が、ともかくも、今日は、是非、よいものを見たい。

じんべいざめとは体長10mを超える、世界最大の鮫、で、ある。
とはいっても、怖くはない。英語ではホエール・シャーク。
食べるものは、プランクトン。
大きいが、おとなしい鮫である。
そして、ダイバーにとっては大物中の大物。
ダイビング中に会えることは滅多にない。
マンタ(オニイトメキエイ。横幅が2m以上もある巨大なエイ。)
よりもレアな存在で、憧れの的。むろん我々も見たことはない。

ホテル隣にあるダイブショップからボートでポイントまで向かう。
7時出発。それから2時間。なかなか遠い。
場所はちょうどユカタン半島の最先端の沖、というところであろうか。
ここはメキシコ湾とカリブ海のちょうど境目にあたり、
冷たい水と温かい水が混じりあう場所であるという。
そんな関係で、彼らのえさとなるプランクトンが集まっているらしい。

その海域に到着すると、いるいる!!。
あっちに1頭、こっちに、2頭、向こうには、3〜4頭、
水面に群れている。
じんべいざめが、群れている、そんなところは世界中でもそうはあるまい。
ここでは、8〜9割は、こういう状態であるという。

ここにガイドとともに、入り、スキンダイビングでじんべいを
水中で見、運がよければともに泳げる。

↓ボートから撮っているため、ちょっとわかりずらいかも知れぬ。

横向き


口を開けながら泳ぎ、プランクトンを食べているのである。

さめというよりは、見た目には小型の鯨である。
体は、カーキー色に白い細かい斑点がある。
大きく、ゆっくりと泳ぐ彼らについて、泳ぐこともできた。

前日のセノーテはどうなることかと思ったが
今日は、一転して、大感動。
ついでに、舟の上からではあるが、マンタも見られた。
(マンタもじんべい同様、えさはプランクトンであるため、
この海域にくるのだろう。)

実に素晴らしい体験であった。
これは、絶対に、オススメ!!、で、ある。

さて、最後に、食い物。

カンクンは泊まったホテルは、先に書いたように、
いわゆる一流どころではない。

だからかどうかはわからないが、
ホテル内のレストランはまあ、書くべきものはない。
アメリカ人にターゲットが合っているのだろうが、
ほんとうに、うまくない。
中途半端なホテルの飯は、メニュー構成といい、
味といい、まったく、判で押したように、ダメである。
彼らに流行の、“Sushi”など食べようものなら、
さらにがっかりしなくてはならない。

ちょっとおもしろいので、一つだけ紹介する。

これは、ホテル内のカリフォルニアロールなども置いている、
アジアンフードのレストランのメニュー。
「sunomono(酢の物)サラダ」、というものなのだが、
春雨ではなく、ビーフンとにんじんのサラダ。
酢の物、というには、少し酢が弱い。
ここまではまあよいとして、、一番妙なのは、
写真ではちょっとわかりずらいが、上に載っている黒いもの。
これは細長い海苔。食べてみると、味が付いている。
形から、今は日本でもあまり見なくなったが、旅館の朝飯で出てくる、
細長い、パック入りの味付け海苔が、水分を吸った状態のもの、
ではなかろうかと思う。
なぜ、朝飯用の味付け海苔を、酢の物の上に載せるのか?
なんでも載せればよい、と、いうものではない。

と、いうわけで、じんべいざめ、をみた後のランチ。
ホテル外へ、食う場所を探した。
カンクンはホテル街のため、ローカルレストランはあまりないが、
それでも見つけた、メキシコのファミレス、VIPSというところ。

毎度お馴染み、トルティージャスープ。

ここは、トスターダスのセットに、パンやクラッカー、
写真左側に見える生クリーム(?)、ココナッツのフレーク状のもの、
さらに、豚の脂身を揚げたスナックのようなものがついてきた。
この豚の脂身を揚げたものは、一昨年いったフィリピンのセブ島
にもあったが、油の古いものではだめだが、よい状態であれば、
なかなかうまいものである。

そして、メキシカンステーキという名前の牛肉料理。

これもボリュームがある。
削ぎ切りにした牛肉を焼いたものに、野菜入りトマト味のソースをかけ、
左上、モレ(メキシコ独特のソースなのだが、カカオが入り、
暗褐色、甘くはなく、ちょっと苦味のあるもの)のかかった
チーズのタコス。
右上がトマト味のライス。緑色の辛いチレ(唐辛子)が
丸ごと入っている。
削ぎ切り、というのは、メキシコではよくある牛肉の切り方である。
この切り方が、うまさの秘訣のように思う。
味付けもなかなかよかった。

さて、4日間に渡ってしまったが、断腸亭の夏休み、
「メキシコへ行く2006」、これでおしまい。

イギリスのテロの余波で、空港はアメリカも日本もごった返しており、
道中は、なかなか、たいへんであった。
メキシコは、いろいろあったが、おおむね楽しかった。
コスメルの海のすばらしさ。そして、カンクン沖の
じんべいざめ。これら、筆者には、なにものにも代えがたい
貴重な体験であり、日常の様々なものを吹き飛ばす珠玉の時間であった。
いつまでも、この美しい自然が保たれることを願って止まない。
こうしたものを提供してくれた、メキシコの皆様に
心から感謝をしたい。

さて、来年はどこへいこうか?


※前3回まで、Cozumel、をコズメル、た表記していましたが、
スペイン語の正確な発音は筆者うといのですが、
どうも、コスメルと濁らないのが、正確なようですので、
訂正いたしました。



断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月



BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2006