断腸亭料理日記2005
12月23日(金)
やっと、年の暮れ、らしく、なってきた。
仕事納めは、28日だが、ほぼ、店仕舞いモード、で、ある。
筆者ら、夫婦にとっては、毎年の恒例。
どのくらい続けてきているだろうか。
年賀状書きと、骨休めのための、箱根行き、で、ある。
AM、作ってあった、年賀状の原稿を持って、キンコーズへ行き、
カラーコピー。
昼過ぎ、出発。
寒いが、天気はいい。
やせ我慢のようだが、屋根は、開ける。
コンバーチブルに乗っていて、天気のいい日に屋根を開けないのは、
もったいない。
いや、それ以上に、罪悪、というべきではなかろうか。
折角の、空を、仰げる、と、いう、特権を放棄してしまうのは。
コンバーチブルでも両側のガラスを上げ、
ヒーターをガンガンに効かせれば、風はある程度入ってこず、
そこそこ、あったかい。
しかし、そうはいっても、完全武装、で、ある。
手袋、ひざ掛け、ヨット用のウインドブレーカー(これは、
風を防ぎ、けっこう、あたたかい。)。
箱崎でのって(首都高)、江戸橋から、環状線外回り。
銀座、浜崎橋、谷町から、3号線、渋谷、用賀で東名。
しかし、やはり、寒い。
80km/h以上、スピードを出すと、限界である。
巻き込んでくる風が、耐えられない。
まあ、安全運転で、よかろう。
絶えられず、青葉PAで、トイレ。
寒さのせい、で、ある。
少し事故渋滞。
厚木で降り、小田原厚木道路。
制限時速の70km/hで走る。
平塚PAで、また、休憩。ホカロンを気休めに買う。
まだ14時。これでは、早く着きすぎるので、
大磯で降り、西湘バイパスを廻ることにする。
大磯ICから、海側へ。
国道一号、東海道へ出る。
二宮ICから、西湘バイパス。
海は、きれいだが、冬の白波が、いかにも寒い。
休憩がてら、西湘PAで何か食べることにする。
なにもない。
しかたなく、そば。PAのそば、など、推して知るべし、である。
ちくわ天があったので、入れてもらう。
小田原も近いし、うまかろう。
朝、田端の路麺、かしやま、で、ちくわ天わ食べたばかりであるが、
また、で、ある。
しかし、同じ様なもの、で、あるが、こうまで、違うのには、
予想をしていながらも、改めて、かしやま、といわなくとも、
東京の路麺のレベルの高さ、を実感する。
まず、なにが違うのかというと、つゆ。
かしやま、で、なくとも、ほとんどの個人営業の路麺は、
出汁を、きちんと取っている。
また、同じ、茹で麺で、これも、こうも違うのものか、
と、いうほど、ぶよぶよ。
腹が減っていれば、なんでも食べられる、とはいうものの、
なかなか、きびしい。
ただ、ちくわ天、だけは、うまい。
箱根口で終点。国道1号線に出る。
正月も近い、そこここに、「歓迎・箱根駅伝」の看板が建っている。
早川に沿った国道1号を上がっていくと、視界が開け、
左手に三枚橋という名の橋が、ある。
これを渡るのが、旧東海道で、ある。
旧東海道はすぐに昇り、左側の山腹を縫って進む。
こちら側が、湯本中宿。
今の1号線は、ご存知の通り、小田急線・箱根登山鉄道の
箱根湯本駅の前を通り、右側の谷へ入っていく。
早川は、こちらの谷筋。
旧東海道の谷は須雲川、と、いう。
湯本を過ぎ、トンネルを抜け、一つ目の温泉が、塔ノ沢、で、ある。
福住楼は、早川にかかる、千歳橋という橋を渡り、すぐ左側。
塔ノ沢で、もっとも、手前にある宿で、ある。
駐車スペースに車を停め、到着。
15時半。
大きな玄関。黒光りした、上がり框(かまち)。
この福住楼は、全館、国指定の有形文化財、である。
ご主人が、にこやかに迎える。
車も寒かったが、建物に入っても、寒い。
普段、気密性の高いマンションに住んでいる者には、
久しぶりの日本家屋の寒い。
日本家屋は、隙間だらけ、である。
桜の四という、川沿いの部屋へ案内される。
風呂に近いのが、うれしい。
間取りは、二畳の床の間付き、十畳の主室に、六畳の次の間、
四畳半の納戸の三部屋構成。
福住楼でもこれは、大きい方であろう。
もちろん、値段が違ってくる。
年に一度である、贅沢をするときは、おもいっきり、
贅沢にしてみよう、と、妻が、決めた。
「寒い、寒い」を連発しながら、ヒーターを“強”に。
係りの仲居さんに、心付けを渡し、お茶を飲んで、一息。
浴衣、丹前に着替え、ビール。
そして、風呂。
つづく
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