断腸亭料理日記2005

中野坂上・天ぷら・天ふね

10月4日(火)昼

今日は朝から、中野坂上。

高校が中野富士見町であったため、このあたりも
そこそこ、土地勘があったが、それも、20年以上前のことである。
大きなビルが建って、印象としては、だいぶ変わっている。

もともとは、坂上(そうであった、高校時代は坂上と略していた。)
といえば、宝仙寺であった。
筆者が、直近に、と、いっても数年前だが、
坂上に来たのは、宝仙寺での葬式であった。

あまり、詳しくはないが、中野、東中野などと同様に
最近の芸人さんなどが住んでいたりする、とも聞いたことがある。
基本的には、下町っぽい商店街のある、下町っぽい山の手、であろう。

坂上の何本かあるビルのうち、南西角、2本目の
セントラルビルというところから、
外を眺めていると、妙に気になる天ぷら屋が、見えた。

ちょうど、セントラルビルの裏手。
ビル敷地の空間スペースに接して、路地があり、
周りは、建て込んだ住宅地。そこに、こぢんまりとした一戸建。
店の表、上部に、天ふね、と、大書しているので、
ビルからよく見えるのである。

結局、仕事は1時半までかかった。暖簾が出ているが、
やっているのかどうか、危惧を抱きつつ、入ってみる。

店の中はこぢんまり、と、いうよりは、かなり狭い。
4人用の小上がりと、5〜6人掛けのカウンター。
先客は二人ほど。

店は、ご主人一人のようである。
丸顔で、ちょっと大きな体格。お年は50格好であろうか。
自らお茶を入れてくれる。

お昼の天丼。大海老、か、海老穴子、で¥900。
海老穴子を頼む。

調理場の奥には、額に入った、コンテストの優秀賞の表彰状。
発行元は、綱八、としてある。
新宿のつな八、であろうか。
で、あれば、つな八に、いらっしゃったのであろう。

茄子と、さいまき海老(小型の車えびのこと)2本。
そして、穴子が一本。
そして、ちょっと、目を引くのが、穴子の中骨を
から揚げにしたものが、丸くなって、のせられていること。

実にどうも、穴子がうまい。
先日、自分でも揚げたが
もちろん、そんなものではない。
今年の穴子がうまいのであろうか、
飛び切り脂があるように思う。

先月、合羽橋の太助寿司(松波ではなく、、。)

で食べた、煮穴子も脂があった。

揚げ方は、特に、ごま油が強い、という印象はない。
天丼としては、十二分であろう。
また、たれの濃さも、筆者には満足。

うまかった。

夜は居酒屋風で、お好みで揚げてもらえるようである。
(また、それも、安いようである。)
拙亭の近所の、三筋のみやこし
もう少し、イメージ的には上である。

こんな、気のおけない、天ぷら屋さんなら、
もっと、頻繁に、天ぷらが食べられよう。

ご近所の方がうらやましい。


(無名なところだと思いますので、地図は載せません。
ご興味があれば、探してみてください。)


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