断腸亭料理日記2005

がんもどきと、ねぎま

10月11日(火)

いよいよ、本格的に寒くなってきた。
と、いうほどでもないかも知れぬが、
東京も、本格的に、秋の空気になってきた。

例によって、夕方、今夜はなにを食べようかと、考えていたら、
がんも、の煮たの、に、思い至った。

がんも、とは、むろんのこと、がんもどき、である。

以前に、葛飾の東四つ木に住んでいた頃には、
近所に、よい豆腐やがあり、会社帰りに買って、煮ていたものである。
ここのものは、10cm以上もある、大判のもので、
きめが細かいというのか、密度があって、煮込んでうまかった。

がんもどきの煮たの、は、筆者にとっては冬の味覚で、
しょうゆで濃く煮て、辛口の燗酒。真冬であれば、火鉢、である。

牛込北町の交差点の手前のスーパー。
ここは、豆腐は、うまいものを置いているので、期待していくが、
先に、書いたような、大判のものはなく、普通の大きさのものを購入。
売り場を見ていると、ふと思い立ち、ねぎま。

先シーズン、銀座のお多幸で、食べたのを思い出した。
お多幸では、ねぎと、マグロを串に刺して、おでんのつゆで煮て、
山椒を振って、出てきた。

これを一緒に、煮よう。
マグロブツと、ねぎ、を購入。

帰宅。

ねぎまは、串に刺す必要はなかろう。
ねぎまと、がんもは、煮える時間が違う。
しかし、一緒に煮た方が、うまいであろう。

そこで、マグロブツ、ねぎ、がんもを水から入れ、
酒、しょうゆ、少し、みりん。

どうも、最近、魚全般に、煮る場合は、煮過ぎないのが、
鉄則のような気がしてきた。
7〜8分以上煮ると、魚のゼラチン質が煮汁に出てしまい
味は落ちていく。以前に、鰈の煮付け、で憶えたことであった。

煮立ったら、灰汁がでるので、灰汁取りの網で丹念に、取る。
弱火にして、アルミホイルで落し蓋。
7〜8分で、ねぎと、マグロは、上げ、ボール取っておく。
あとは、そのまま、落し蓋をして、20分ほど、煮含ませる。

途中、様子を見て、がんもをひっくり返す。

30分で火を止め、10分ほどそのまま置く。
酒の燗をつける。(菊正宗。)
さすがに、まだ、火鉢の季節ではないので、お燗はレンジで簡単に。
レンジとはいっても、筆者は、ちょっと工夫をしている。
大きなマグカップにお湯を少し張り、そのまま、レンジでさらに加熱し、
マグカップ自体を温める。
ここに、酒を入れた一合徳利を入れ、30秒ほどであろうか、
加熱する。(拙亭のレンジは仕上がり温度が設定できるので、
50℃程度に設定する。)
そして、しばらく、置く。これで、均等に温まる。

熱燗ではなく、上燗(50℃前後)、である。

そして、食卓には、このまま持っていく。
お湯が張ってあるため、冷めにくく、よい。

がんもを煮たつゆは、ちょっと、煮詰まりぎみで濃い。

しょうゆの濃い、がんも、これが、辛口の燗酒には、筆者にとっては、
欠かすことのできない、相棒である。

マグロは、途中で引き上げたのは正解。
やはり、プリプリしていて、うまい。
ねぎも、甘く、うまい。

品はないが、うまい、つまみ、である。




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