断腸亭料理日記2005
9月5日(月)昼食
さてさて、また来てしまった。
前回は、先週の金曜日。
台風の前触れか、雨、である。
(日曜の夜は、東京もひどい雷雨であった。
杉並、中野あたりでは、神田川や、明正寺川などが、あふれたようであった。
筆者、高校が中野富士見町にあたったため、この付近の地勢には、
若干の憶えが、ある。地下に放水路を作るなど、
様々な対策もなされてているようであるが、このところ、また、
浸水のニュースを聞く。)
今日の昼飯は、前のパーティー
に、たまたま出席できなかった二人とで、あった。
是非とも、行ってみたい、という要望で、こういうことになった。
13:00前、雨のなかではあるが、満席。
あきそう、なので、待つことにする。
10分ほど待ち、座る。
今日の黒板のスペシャルは、当然ながら、前回と変わっていない。
エスカルゴと、仔牛のカツレツである。
なににしよう。
前菜は、豚のゼリー寄せ。
メインは、今日の魚料理にしてみよう。
今日は、鱸(すずき)のポワレ、で、ある。
さて、ゼリー寄せ。
今回もほぼ、前回と同じである。
豚肉は、タン(舌)と耳。
ちょうど、写真に耳の断面が写っている。
ソースも前回同様、エシャロットなどが入り、
八角のような香りのするものである。
(前回、八角=アニスと、書いたが、間違いである。
八角の英語名は、スターアニス。アニスとスターアニスは
別のものであった。スターアニス(八角)はモクレン科木の実であるが、
アニスはセリ科の草の種子であるようだ。しかし、名前が似ている通り、
香りも似ているらしい。
ここに使われているのは、アニス、かもしれない。)
むろんのこと、タンも耳も柔らかい。
味も濃い目で、うまい。
またまた、パンをバクバクと、食べてしまう。
さて、メインの鱸、である。
鱸、と、いう魚も、また、東京では今、高級魚であろう。
夏から秋が、脂が乗って、うまい。
筆者は名古屋へいくまでは、ほとんど食べた記憶はなかった。
あのあたりでは、東京よりもよく獲れるからか
比較的安く、買うことができた。
(火鉢で、炭で焼いていたりする。)
名古屋時代に、鱸のうまさを、知った、ということである。
ちなみに、池波先生の好物でもある。
本題に戻そう、グー、の鱸のポワレ、である。
付け合せは、いつもの、きゃべつ、にんじん、ブロッコリー、マッシュポテト。
マッシュポテトは、いつものように、なめらかで、美味。
さて、鱸。
ソースは赤ワインベースであるが、とてもさっぱりしている。
鱸も身は、厚めに切られ、皮目をこんがりとパリパリにローストされ、
味付けは塩で、さっぱり、したもの。
ひょっとすると、バターすらほとんど使っていないかも知れぬ。
これは、鱸は、塩焼きが、最もうまい、と、いうことを、
示されているのではないかと、思わせる。
魚介類によく使うタイム、などのスパイス・ハーブを使っておらず
鱸に本来ある、かすかな泥臭さ、のような、独特の風味が
きちんと生きているのである。
これが、鱸のうまさ、なのである。
(バターや、香りの強いハーブを使えば、
ほとんど消えてしまう香りである。)
鱸好きとしては、(筆者などがいうのは僭越であるが)、
わかってらっしゃる!、と、申し上げたい。
今日も、希少な¥1000ランチ、うまかった。
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