断腸亭料理日記２００５

塩ホルモン

8月21日（日）

さて、先週は、夏休みメキシコシリーズで終わってしまった。

少し、貯まっていたものがあるので、書いてみたい。
今日はまず、ホルモン。

これは、先週のこと。
田原町の赤札堂で買ったものである。

塩ホルモン。
塩胡椒と、おろしたにんにくをもみ込み、脂が多いので
魚焼き用のグリルで焼いてみた。

これはこれは、うまい。
ビールと谷中、である。

さて、ホルモン、と、いうもの、特に、塩ホルモンは、
筆者大好きであるが、なかなか、
普通にはこの状態では売っていないような気がする。
この状態とは、生、なのであろう。そして、ぶ厚い脂。

ホルモン、ホルモン、と、よくいうが、そもそも、これ、なんであろうか。
よく考えたら、ほとんど知らないことに、気が付いた。

今、このパックは捨ててしまったので、牛なのか、豚なのか、
それすらも、わからない。

ホルモンとは、そもそもは、広く、牛、豚の内臓肉をいう。
これは誰でも知っている。
言葉の由来は、大阪が発祥のようだが、
内臓肉は、捨てるもの＝放（ほう）るもの、→、ホルモンとなった。
これも、誰でも知っている。

そして、今は、焼肉屋などで、ホルモンといえば、
上の写真のような白いものを、いっている。
狭義の、ホルモン、であろう。

まず、今、いわれている、狭義のホルモンとは、白いもの、である。
これは、腸、であることは、間違いなかろう。
牛もあり、豚もある。

名古屋時代の日記に、ホルモンの記述があった。

（そういえば、足立・鹿浜のスタミナ苑にも、しばらく行っていない。
うまくて安くて、有名な店であるが、
殺人的に辺鄙な上に、殺人的な行列である。)

名古屋時代の日記では、味付きの豚ホルモンと、
味のない牛ホルモンを食べている。
記憶では、このとき食べたものは、
今回食べた、ぶ厚い脂のあるものではない。
牛も、豚も、柔らかく、肉の部分としては、薄いものである。

ホルモンとして売られているもの、焼肉屋でホルモンとして出てくるものも、
どちらも、薄いものの方が、多いのではなかろうか。

薄くて、柔らかい、と、書いたが、これは、そもそも、生であるから、
と、いうことで、よい、のであろうか。

生でなく、ボイルしたものは、牛も豚も、白モツ、として
売られている。
どこにでもあり、筆者もよく使うが、いわゆる、煮込み、だったり、
また、味を付けて、（こてっちゃん）、焼いて食べる。

今回のものは、どれでもない。
そこそこ、歯応えがあり、皮の部分と、片側にぶ厚く脂が付いている。
これは、牛なのか、豚なのか、そして、どの部位の、どんな状態なのか？
で、ある。

少し、調べてみた。
牛も豚も、当然であるが、腸は大腸と小腸に分かれる。

社団法人中央畜産会のサイトに部位を説明したページがあった。

豚の小腸は、ヒモ。同じく大腸は、ダイチョウ。（そのままである。）
牛も、小腸は、ヒモで、大腸は、シマチョウ、と、いうらしい。

説明を読むと、豚はどちらも脂が多い。
牛は、ヒモの方は、薄く歯応えがある、という。
シマチョウは、厚く、太く、かたい、と、いうことである。

また、ほとんどのものが、ボイルをされて、売られている、
と、いうことである。

内臓肉、特に、消化器は、本来、くさい。
それはそうであろう。
牛や豚がえさを食べ、消化する、消化器である。くさかろう。

前に、ガツ（豚の胃）を使ったことがあった。

内臓肉の中では、ガツは、くさみは少ない方であるというが、
この時のものは、けっこう臭かった。
（ハナマサの冷凍のものである。）

何度も茹でこぼし、よく洗う、というのが、くさみを取る方法で
内臓肉を調理する場合のセオリーであるようである。

さて、今回食べたもの。あった。これである。

間違いなかろう。シマチョウである。

そして、前に食べたものや、よく、ホルモンとして出ているものは、
牛はヒモ、小腸ではなかろうか。
（豚の場合は、ヒモとダイチョウ、どちらが多いのか、よくはわからない。）

一つ、疑問が解けた。
シマチョウ、なかなか、うまいものである。

さて、疑問がまだ残っている。
今回食べたもの、あるいは、焼肉屋のホルモンも、
生、で、あると、思われるが、くさくない。
なぜであろうか。

本来は、くさみを取るため、ボイルをして、きれいに洗う。
（流通しているほとんどのものがそうである。）

なぜであろうか。処理が違うのであろうか。
生のまま、洗っている、と、いうことであるのか、、？
それで、くさみが取れる、ということであろうか。
あるいは、もともと、くさくない、ものも、あるのか。

また、あまり生のものは、焼き肉用にしてもスーパーなどには
流通していないように思うが、なぜであろうか。

今度、どこかで聞いてみよう。

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