断腸亭料理日記2005

有明・トラットリア・アルポルト

8月26日(金)

少し、久しぶりである。
東京ビッグサイト。
まあ、真夏には、あまり、展示会でもなかろう。

前回

今日は、午後から。

まさに、暑いさなかであるが、

夏休みの時期でもあり、このあたり、お台場や、有明付近は人出が多い。
13:00を過ぎているが、ほぼ満席。

今日は、挽肉とポルチーニのクリームパスタ。
これがよかろう。
混み合っているためか、少し時間がかかったが、運ばれる。


うーむ。うまそうである。

さて、ここで、両隣のテーブルにも同じものが運ばれる。

右側は、男性二人。上司、部下、の、ようである。
部下の方は赤いポロシャツ姿。
年恰好は、30代前半から中盤あたりであろうか。
後でわかったことだが、この後、筆者が見に行った、展示会に
出展している企業の方で、あった。
赤いポロシャツの方が、ポルチーニ、を頼んでいた。
運ばれると、開口一番、元気よく「タバスコ、下さい!」

うぉ!。

ご存知かと思うが、そこそこのイタリアンの店には、
タバスコ、と、いうものは、置いていない。

これは、筆者にも覚えがないことではない。
何年も前のことであるが、パスタではなく、ピザ。
確か、牛込のヴォルパイアに、最初に行った時であったかと思う。

パスタ(ことに、クリームには、辛味はいらないと思われるが、、。)
はともかくとして、ピザには、条件反射、習慣的なものもあろうが、
(今でも)なんとなく、辛味が欲しい、もの、ではある。

ヴォルパイアにもタバスコは置いていない。
唐辛子をオリーブオイルに漬けたもの置いており、
この時は、これを出してくれた。

ここアルポルトも同じで、ギャルソン氏は、にこやかに、
タバスコはないが、こういうものでよければ、と、持ってきた。

さて、今度は左隣。
こちらは、若いカップル。大学生か、専門学校生か、
そんな感じの二人。デートでこのあたりに来たのであろう。

さて、こちらは、男性の方が「ポルチーニ」。
楽しそうに、会話をしながら食べていたが、
そのうちに、「このシイタケ、まずい!」と、言い出した。
「シイタケ、嫌いなんだよね。」

これも、筆者、笑えない。

今では、ポルチーニのパスタは自作もする

しかし、99年のことである。名古屋在住で、ポルチーニが、市場になかった、
というのもあるが、同じ、きのこならばよかろう、と、
ポルチーニとレバーのクリームパスタを作るのに、
たいして考えもせず、干しシイタケで代用していたのであった。

「このシイタケまずい!」にも、やはり、苦笑してしまった。

改めて書くと、ポルチーニは味や旨みもあろうが、
最大のポイントは香り、である。
また、日本で買うと、高価なものでもある。
(使う量にもよるが、一袋4〜5人前で、乾燥もの、
小売では¥500超。)

自分のことを含め、知らないとは、恐ろしいというのか、
おかしいことでは、ある。

さて、挽肉とポルチーニのクリームパスタである。
これは、うまかった。

自作をすると、香りを出すのがなかなか難しいような気がしていたが、
よい香りと、旨みも出ているように、思え、味のバランスもよい。
また、さらに、食べ応えも十分で、とてもよかった。

我々日本人に、馴染みの深い、香りのきのこ、と、いえば、
いわずと知れた、マツタケ、である。
ポルチーニは、マツタケほどの強い(刺すような)香りではない。
どちらかといえば、上品で濃厚、といった方がよかろう。
また、先にも書いたが、旨み、もあるように思う。
乾燥ものから、戻すと、戻している間に、香りが飛んでしまうような
気がしているのである。
(プロの技(わざ)があるのであろうか。)

ともあれ、今日は、ちょっと苦笑の、アルポルト、で、あった。

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