断腸亭料理日記2005

浅草・中國小菜・龍圓

7月31日(日)夜

先週の「チューボーですよ!」。レタスのチャーハンであった。
町の巨匠に浅草の店があった。

龍圓、という。
西浅草、国際通り沿い、ビューホテルの手前。
なんとなく、この辺に、中華屋があるな、程度の認識はあったが
もちろん入ったことはなかった。

ちょっと、調べてみると、結構有名らしい。
地元民としては、少々不覚であった。

できたのは平成10年ということで、さほどに古くもない。
店の表も店内も、見た感じは、
なんということもない、普通の中華料理店。

日曜日の18時。満席である。
空きそうなので、待つことにする。

着席。

メニューを見る。
上湯チャーハンや、期間限定で「チューボーですよ!」の
レタスのチャーハンもある。
また、全体としては、焼売、春巻、焼餃子、エビチリ、
麻婆豆腐、ラーメンなどなど、
ごく一般的な、町の中華料理店のメニューが主流のようである。

ビールに、とりあえず、つまみ。
焼売と、春巻、中華料理店とも思えぬが、
たこの粒マスタードのマリネ。

春巻は、小ぶりで、とても、ていねいに包まれ、揚げ方も同様に繊細。
油もきれいに切れており、うまい。

焼売は、先日自作し、けっこう苦しんだ。

ここのものは、大きさも普通。
びっくりするほどではないが、普通にうまい。

おすすめメニューに「千寿葱とまこも筍の煮込み」というのがあり、
気になって、頼んでみた。
千寿葱とは、江戸の頃よりある、千住ねぎであるが、
北千住の葱問屋さんが近年ブランド化し、高級ねぎとして、
主として、そば屋などに卸しているらしい。

http://www.senjunegi.com/index.html

まこも筍は、台湾から直送された物と、いうことである。


ねぎと筍を炒め?ここ自慢の上湯で煮たものであろう。

スープはとても優しい。

ねぎの状態としては、クタクタになっているのであるが、
あま味があり、それなりにうまい。
しかし、ちょっと、普通のねぎとの違いがわからない。

ん?、と、いう感じである。

(普段、我々が東京で食べているねぎ、は、基本的には、
千住ねぎという種、ではあるようである。)
\1800という値段である。相当に期待したことは確かである。
高い安いではないが、ちょっと、このギャップ、、である。

エビの餃子。
半透明になっているものである。
これも、普通にうまい。

さて、最後に、例の、牛肉のレタスチャーハンと、
自慢の上湯そのもの、ともいえる、塩ラーメン。

塩ラーメン。
これは、なかなか、である。
上品でやさしい味である。ここは、塩も自然塩を使っている、という。

またチャーハンはふんわり、パラッと仕上がりうまい。
油は、米油を使っている、と、いうことなのだが、
ねぎ(油?)のような風味も感じられ、複雑な味である。

さて、総括、、などという大袈裟な言葉を使わなくともよいが、
総合すると、どうであろうか。もちろん、1回目としての感想である。

ちょっと、兜町の八島、を思い出してしまった。

なんとなく、方向性は近い様な気もする。

チャーハンの技術、スープのうまさ、焼売や、春巻のうまさ、
素材へのこだわりなど、やはり、そんじょそこらには、ないものである。
(千寿葱は、置いといて。)

しかし、なにか、腑に落ちてこない、なにものか、がある。
それは、大方、こちら側の問題のような気がする。

店の見かけもメニューも、普通の町の中華屋さんである。
また、客層も、わざわざで出かけてきた人、と、
たまたま入ってしまった人、
というのか、居酒屋として利用している人が、
半々か6:4といった感じ。

どうとらえたらよいのか、定まらない、と、いうところなのである。

町の中華屋のようで、そうでない。中国人の料理人が作る、
本場の、(クセの強い、でも、)うまい店、、。
味も値段も超一流の有名店。どのジャンルにも入らない。

どうでもよいではないか、うまければ。
確かにそうなのでは、あるが、、、。
(千寿葱の件がなければ、もう少し素直に評価できることも
また、偽らざる事実では、ある。)

ただ一点、HPにも書いてあるが、普通のものを
普通においしく、というのが、ポリシーであるということ。
これが、とらえどころがない、という印象になっているのかも
知れない。


HP





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