断腸亭料理日記2004

大晦日

新年、あけまして、おめでとうございます。

「断腸亭料理日記2004」ご愛読ありがとうございます。
本年も、相変わりませず、よろしくお願いいたします。

また、今年が皆様によい年でありますように。

                        筆者

*********************************************************************

12月31日(金)大晦日
さて、大晦日(おおみそか)である。

毎月の月末が、晦日(みそか)。
そして、年のどん尻が、大晦日である。

昔は、今以上に、晦日=月の末日は、意味のある日であった。
様々な、締め、が、月末であり、集金の日であった。

そして、大晦日は、その貯まった1年の「売り掛け金」を取る、

貯めた方は、払わねばならない、日であった。
そこで、商家では一晩中起きて、掛けを取りにまわる。

武家はともかく、町人は、とにかく、大忙しの日であったそうな。

こんな川柳があった。

貧乏のぼうも次第に長くなり

振り回されぬ年の暮れかな

ついでだが、大晦日といえば、こんなのもあった。

本所(ほんじょう)に蚊がなくなって

大晦日


堀割の多い、江戸・本所界隈は、蚊が多く、蚊がいなくなったなぁ〜、と思ったら、
大晦日であった、ということ、である。また、昔は、ホンジョ、ではなく、
ホンジョウと、発音した。

さて、そんな、大晦日。

今では、それなりに、年の終わり、区切り、としての感慨はあるが、
コンビニはもとより、デパートもスーパーも正月元旦も営業し、
たいしてうまくもない、おせち料理もこの頃は、どうでもよくなってきた。

拙亭の大晦日、正月は、ここ数年だいたい、同じ様なところに
落ち着いている。

大晦日は、午後、正月前の最後の、買出しに出る。

今年は、雪。

上野広小路、松坂屋前のうさぎやで、どらやき、を買う。

2000年うさぎや

そして、神田須田町のまつやで、予約をしてあった、
年越しそばと、瓶詰のうに、を買って帰る。

そばは、生そば3人前と、缶入りのつゆ、と、ねぎ、が、箱に入っている。

写真

なぜ、うにの瓶詰め、なのか。
たいした意味もないのであるが、

これ、まつや、で売るだけあって、飛び切りうまい。

下関の岡本、というところのものである。

そば3人前より、値段は高いのであるが、
正月用に買うのが通例になっている。
(正月用、というよりは、
1年かかって、なめる。筆者の、取って置きのつまみである。)

さて、紅白も終盤、夜11時過ぎ、年越しそばの用意を始める。

鴨せいろである。

今年は、妻の田舎(北海道)から、送ってきた正月用の品物の中に
なぜか、鴨の挽肉があった。
なにげなく、送ってくれたようで、出所はよくわからない。
パックに入り。凍っていた。

これを、つくねにして、入れよう。

鴨肉は、正月の鴨鍋用に、塊が冷凍庫にあり、軽く解凍し、
脂身のみを、少し、切っておく。
肉は、使わないことにする。筆者には、脂のみで充分である。

そばを茹でるための、湯を沸かす。

缶入りのつゆを、1.5倍〜2倍程度に薄め、
鍋に移し、沸騰したところに、みじん切りにした、脂身を入れ、
弱火で、煮出す。

挽肉は手で丸め、2個ほど、脂身とは時間差で、つゆに入れる。

ざるなどの食器を用意。

そばを湯に投入。

ねぎを3cm程に切り、さらに、縦に半分。
煮出している、つゆに入れる。

煮込み用のねぎは、煮過ぎてもよくないので、最後に投入。
(ねぎは焼いてもよかったのであるが、これも、筆者の趣味では
焼かなくても、充分である。)

また、つゆの出来上がりと、そばの茹で上がりを合わせる。
生そばの茹で時間は、2〜3分である。

三つ葉を切る。

そばは、くっつかぬように、常に様子を見ながら、かき混ぜ、
手に取って、茹で加減をみる。

OK。

そば湯を捨ててしまってはいけない。

ざるの下に、ボールを用意し、一気にあける。
水を替えながら、数回、冷水で洗う。

ざる、に、そばを並べ、つゆに、三つ葉を入れ、完成。

写真

まずい、わけがない。

神田まつや、の、生そばで、つくね入りの、鴨せいろ、が、食える。

よい年の暮れ、なのであろう。


着物を着て、下駄を履き、鳥越神社に初詣に出掛ける。


断腸亭料理日記トップ | 2004日記リスト1 | 2004日記リスト2 | 2004日記リスト3 | 2004日記リスト4 |

2004日記リスト5 | 2004 日記リスト6 | 2004 日記リスト7 | 2004 日記リスト8 |2004 日記リスト9 |

BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2005