断腸亭料理日記2004
12月4日(土)第一食
多少だるいが、風邪も抜けつつある。
さて。
浅草千束町である。
元祖恵比寿ラーメンのそばでもある。
ついでに、おでんの大多福もそばにある。
場所としては、田原町から、国際通りを直進、言問い通りを超え、
千束五叉路の一つ先の交叉点を左折、左側である。
一般的には、今、このへん、かなり、地味なところかと思う。
銀座線田原町、日比谷線入谷、どの駅からも遠い。
浅草も、言問い通りの北側は、花街であったり、
知ってる人は知ってる、360年の伝統の街やら、あるが、
このあたりは、あまり、わざわざ来る場所でもない。
あるとすれば、お酉様か、今年は、郷土の誇り、樋口一葉先生の
お札記念で、隣町の竜泉あたり、、、か。
そうであった。
金龍小学校の前の台東区立生涯学習センターには、
池波先生の生前の書斎を再現した、
池波正太郎記念文庫もあった。
なんだ、意外と色々あるではないか。
しかし、どれも、テーマがつながっていないところが、オシイ。
やはり、地味である。
地元民にとっては、地味でもなんでもよい。
よいところである。
(肉のハナマサもある。)
さて、そんなところにある、立ち喰いそば「ねぎどん」。
誰でも、メニュー名かと思う。
ねぎの丼?
筆者もそう思った。
違うのである。
そういうメニューは、ない。
店の名前なのである。
ちなみに、アクセントは、「ド」ではなく、
「ネ」に来るのが正しそうである。
立ち喰い、と書いてきたが、
正確には、カウンターに椅子である。
土曜のAM10時過ぎ。
タクシードライバーが一人。
やはり、客層としては、多いようである。
ここ、製麺所がやっている店でもあるようだ。
ちなみに、このように製麺所が麺を作るかたわら、
直販というのか、同時に路麺店も営んでいる例が、他にもある。
そのため、不思議な場所にある、のか。
ここも、国際通り沿いではなく、一本入っている。
しかし、タクシードライバーが入るのは、
前の道が抜け道になっている、せい、ではないかと思われる。
ともあれ、メニュー。
ご飯も常時あるようで、
天ぷらを揚げられることもあり、天丼などもあったり、
おにぎりも、その場で握ってくれる。
路麺というよりは、ちょっとした、食堂である。
しかし、今日は、ねぎ肉うどん。
これ、風邪には、いいらしい。
それに、なす天。
厨房は、おばさん二人である。
ちょっと北関東から、東北南部方面の訛りがあるように思う。
なかなか、押しの強そうな感じである。
ねぎ肉うどん。
なかなかうまい。
熱々で、胡椒がちょっときいている。
豚バラ薄切りと、ねぎは、比較的よく煮込まれている。
ついでに、うどんも、煮込まれている。
(家庭で煮込んだうどんのようである。)
しかし、胡椒とは、気が付かなかった。
和風のうどんに、胡椒。煮込まれた、ねぎともよく合っている。
これ、ちょっと、とろみをつけても、うまそうである。
路地の、立ち喰いそば屋とは、思えない。
なす天も、もちろん揚げ立て。
みてくれ、ではない。
あなどれない、立ち喰いそば「ねぎどん」である。
ねぎどん
TEL 03-3873-0738
〒111-0031 東京都台東区千束1丁目17−9
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