断腸亭料理日記2004
12月3日(金)夕
風邪を引いて、休んでいた。
多少、熱も下がってきた。
なにか食べに出よう。
と、いうよりも、かねて懸案であった、
路麺・立ち喰そば店である。
水道橋の、「とんがらし」
と、もう一軒、雑誌・dancyu12月号に載った、神田和泉町・二葉である。
こんな時でなければ、なかなか行けない。
神田和泉町。
凸版印刷本社前の路地である。
凸版自体は、台東区台東一丁目(下谷二長町)であるが、
道一本で、千代田区である。
拙亭からは、自転車でも行ける距離であるのだが、
朝は時間がなく行けない。
昼間は、凸版印刷にもで用が、なければ行かない、場所である。
営業は今、夕方で終わる。
(もっとも、チェーン店でない路麺は、夜やっている店は多くない。
18:00あたりでしまってしまう。)
最寄り駅でいえば、秋葉原。
昭和通り口から、通りを渡って、すぐである。
凸版印刷の下谷二長町は、明治の頃には、市村座(歌舞伎)があり
相当ににぎわった場所であった。
また、古そうな、赤レンガ塀の下水道施設などが、そばにあったりする。
この界隈、歴史であろうか、ちょっと、不思議な雰囲気でもある。
さて。
二葉である。東京路麺店の草分けであるという。
半端な時間であるが、客は、3、4人
ここは、まずは、あさり天らしい。
(時間が遅いせいか、天ぷらは、随分売り切れていた。)
あさり天と、いうのも、立ち喰いでは、珍しい。
あさり天そばに、いつも通り、卵を落としてもらう。
親子であろうか、姉妹であろうか、
よく似た女性二人でやられている。
そのためか、明るく清潔感が漂う店である。
床に、胡麻油の一斗缶が置かれている。
「これで、揚げています」、ということであろう。
あさり天。
これは、これは、、。
あさりが、なぜか、大きい。
生を揚げているのであろうか、ボイルされたものを
揚げているのであろうか。
剥き身を揚げると、小さくなってしまうはずであるが、
ふっくらし、かなり存在感のある、大きさなのである。
もともと、大きいものなのであろうか。
また、ボイルであれば、もう少し、固くなるような気もする。
ともかく、食べ応えがある。
麺も茹で麺であるが、うまい。
つゆも飲み乾した。
たかが立ち喰い、されど立ち喰い。
そんな形容がふさわしい店だと思われる。
ここは、通わなければならない。
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