断腸亭料理日記2004 路麺トップ

考察・路麺店のこと

さて、路麺、の話をしたい。

先日来、評価の高い、路麺店を何店か回った。
また、ここに書いていない店も数店ある。
食べ始めると、止まらなくなる。
チェーン店でも何でも、ほぼ、毎日、どこかしらで、食べている。

昨日の神楽坂・梅田のように、自ら手打ちをしてしまう店まで
存在し、いわゆる、普通のそば屋と、どう違うのか、
路麺とは、なんなのか、さらには、そば屋とは、なんなのか、
考えておかなければならない。

変則であるが、日記ではなく、考察で1回分を書いてみたい。

★路麺の家元、党首のページでは、定義がされている。

1.立ち喰い、及び、簡易なスツールを含めたその発展形であること。

2.食券か、キャッシュオンデリバリーであること。

3.安いこと

要約すると、こんな感じになろうかとおもう。

これに、早いこと、というのも加えてもよいかも知れない。
時間がないための、立ち喰い。パッと食って、パッと出る。

また、もう一つ。上にのせる具としての、天ぷらが充実している、
ということも、路麺の特徴であろう。

主に駅のチェーンの立ち喰いそばは、これに当てはまらない。
チェーンは、少なければ、通常の、かき揚げ、の1種類のみである。

路麺では、カウンターの上などのケースに、所狭しと、
天ぷらが何種類も、ストックされている。
種類としては、たまねぎ、にんじん、桜えびなどが入っている
ノーマルなかき揚げ。

次に人気なのは、春菊のかき揚げであろう。
これも、ほとんどの店にある。
そして、いか天。一本のものである。

そして、ここから先は、店によって様々である。
ごぼうのかき揚げ、にんじんのみのかき揚げ、茄子天、ちくわ天、
げそ天、芝えび天、桜えびのみのかき揚げ、通常のそば屋にある、
才巻えび天、浅利剥き身かき揚げ、
洋風ものでは、コロッケ、ウインナー天、、、
書き出したらきりがない。

好きなものを、一種類のみではなくて、二種類入れてもよい。
三種類、別の皿にもらって、食べる、ということも、
当然できる。

ひょっとすると、ここが、路麺の一番の特徴ではなかろうか。
普通のそば屋の天ぷらといえば、海老のみであろう。

チェーンではなく、個人経営であればこその
特徴であるかも知れない。

麺を大盛にするのではなく、天ぷらの個数で
ボリュームを調整する、ということも、できるのである。

カウンターの前に立って、あれこれ、考えて、選ぶ。
これは、とても楽しいことである。

天ぷらの質も、競っている。
三崎町・とんがらし
のように、完全に注文が入ってから揚げる店。
揚げ冷ましだが、質や種類にこだわった、神田和泉町・二葉。

天ぷら。
これが、路麺である。

これがなければ、路麺ではないような気がする。

麺、つゆ、の味や質は、店によって様々。

生あり、手打ちあり、茹で麺あり、冷凍あり。
つゆも、関東風、関西風、中間的なもの、
本格的な出汁や、かえし、を使ったもの、そうでないもの
様々である。

必ずしも、生でなければ、ならない、ということも、ない。
茹で麺は茹で麺、でそれなりに、十分うまい。
つゆは、それぞれ、好みである。

安くて、うまくて、早い。

そして、なによりも、楽しい。

さらに、個人経営の「路麺店」には、
その店の、おじさんなり、おばさんの、
一杯のそばや、うどんに込めた、「思い」がある。
(「思い」がある店が、うまいのであるが。)

東京の街角で、東京で働く男達の
胃袋を早く安く、温かく、工夫を凝らしたそばで、
満たしてくれる。

これも東京の一つの、味であろう。

★上記、路麺浪漫は閉鎖されていたようです。
2005/06/15


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