断腸亭料理日記2004
12月26日(日)昼食
さて、昨日に引き続き、箱根である。
昼飯は、宮ノ下の「富士屋ホテル」まで行ってみることにする。
塔ノ沢からは、車ですぐである。
明治11年創業。
日本のリゾートホテルの草分け。
日光金谷ホテル、軽井沢万平ホテルなどと並び、
あまりにも有名な、ホテルである。
こちらは、国の登録有形文化財として7件が、登録されている。
山に貼り付くように、お寺の屋根のような、
今見ると、異様とも思える建物が並んでいる。
いわゆる、屋根だけが、和風というのか、東洋風の、
唐破風(からはふ)というらしいが、明治時代の建築である。
ここなどは、泊まった人を書き出す意味もあまりない。
ヘレンケラー、チャップリン、明治天皇、、、。
池波先生も足を運ばれていた、ことがあったかと思う。
何度も前は通っているが、入ってみるのは
初めてである。
車を預けて、ホテルに入ると、ロビーは二階になっている。
中は、木を多く使い、重みがあり、こぢんまりした感じが、
いかにもクラッシックな、ホテルである。
(映画の撮影などによさそうである。使われたことがあるのだろうか。)
せっかくであるから、メインダイニング「ザ・フジヤ」へ行ってみる。
ここも、すごい。
高い天井に、大きく開いた窓。窓には上部に、御簾(みす)も掛かっている。
日光東照宮の本殿をイメージして作られているとのことである。
天井は、やはり、お寺のような、格天井(ごうてんじょう)というらしいが、
木を四角く組んで、その一つ一つに絵が書かれている、あれ、である。
ちょっと、お寺の本堂で食事をしているような感じ、が、しないでもない。
ここは、カレーと、虹鱒(にじます)が有名。
筆者は、クラシックランチと、妻には、黒豚のカツカレー。
(自分でも食べるつもりで・・・。)
(クラシックランチは週替わりのようで、サラダと、ビーフカレーと、
もう1品。この日は、ちょうど、箱根虹鱒の香草焼きであった。)
虹鱒は、パン粉の衣を付けて、焼かれ、とても軽く仕上げられている。
表面のパン粉がパリっと、香ばしい。
カレーはトマトとウスターソースの立った欧風カレー。酸味が強い。
黒豚のカツカレーもソースは、当然、同じである。
ロースであると思われるが、柔らかく、脂身もあって、
なかなか、うまい。
(ここ、カレーであるが、言わなければ、
スプーンは出てこないようである。フォークで食べさせる。)
コーヒー、デザートが付いて、クラシックランチは、¥5775。
この値段、で、オーソドックスな洋食。
決して、安くないが、すばらしい建物の中で、優雅なランチ。
1/3は拝観料と思わねばならぬか。
福住楼と、富士屋ホテル、たまにはこんなセットも
よいであろう。
(この日も、福住楼泊。月曜日帰京。よい日本旅館は二泊である。
朝はゆっくりでき、一泊の二倍以上の価値はある。)
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