断腸亭料理日記2004
11月22日(月)夜
どうしても、おでんである。居ても立ってもいられなくなる。
冬になると、おでん。それも、「お多幸」(おたこう)
でなければならない。
これぞ、東京のおでん。真っ黒で濃いつゆ。
これでなくてはいけない。
お多幸は大きく、二系統あるようである。
大正12年、銀座で創業。
京橋店は閉店したようであるが、
銀座、新宿、茅場町など。
会社は別のようで、新橋お多幸、
というのもあり、銀座からの、暖簾分けのようである。
そして、日本橋お多幸本店、である。
こちらは、大正13年創業。
よくある、どっちが、本家?、、である。
名古屋の味噌煮込みうどん屋、山本屋も2系統。
意外と知られていないのが、ドロップスで有名な、
キャンディーメーカーのサクマ。
こちらも、実は、二社ある。佐久間製菓と、サクマ製菓。
「キャンロップ」の佐久間製菓は池袋。
「いちごみるく」のサクマ製菓は恵比寿。
今、別の会社であるが、どちらも、缶入りのドロップスは販売している。
きっと、どの例も、なんらかの歴史をお持ちなのであろう。
閑話休題。
夕刻、京橋へ行ってみると、見事に、店が代わっていた。
初めてであるが、テクテク歩いて、日本橋お多幸本店まで。
日本橋の交叉点からは、丸善方向に歩き、一本目の路地を
右に入り、左側である。
カウンターが空いていた。
注文を通す、威勢のよい符丁(ふちょう)が飛び交う、銀座の「お多幸」
とは、ちょっと雰囲気が違う。
京橋から歩いてきたので、汗をかいた。
ビール。ヱビスの生。
一回目の注文は
スジ、つみれ、ちくわぶ。
二回目は
豆腐、大根、たまご。
以上、終了。
これだけ食べて、パッと出る。
一人であれば、これでよい。
味は、銀座のお多幸とも、ほとんど同じだと思う。
色は真っ黒の、甘めのつゆ。
期待通り、うまかった。
ところで、お多幸の、ねた、のなかで、もっともうまいのは
豆腐ではないかと、思われる。
この店で、今日発見したのであるが
しめ、に、茶飯に、豆腐をのせる、という食べ方が、よくあるようであった。
ぐちゃぐちゃ、になって、かなり、B級な感じである。
なかなかに、うまそう。
断腸亭料理日記トップ
| 2004日記リスト1 | 2004日記リスト2 | 2004日記リスト3 | 2004日記リスト4
2004日記リスト5 | 2004
日記リスト6 | 2004 日記リスト7 | 2004 日記リスト8 |
(C)DANCHOUTEI 2004