断腸亭料理日記2004
10月10日(日)第二食
チャーハンを食い終わり、渋谷である。
わけあって、わけもなく、行っていなかったラーメン屋を巡る
「断腸亭・東京ラーメン探訪・その4・渋谷・喜楽」である。
この年になると、東京のラーメンを追っかけるのも億劫になっていた。
少し、心境の変化。改めて、東京にあるラーメン屋を巡ってみよう、という
気持ちになった。
かといって、最近の潮流を巡ろう、というのでもない。
ある程度歴史があり、有名店といえる店でも、筆者、けっこう行っていない
店が多いことに、気が付いた。
場所柄、足が向かなかった店、筆者、魚介系が今ひとつ馴染めないため、
行っていなかった店(青葉)などなど、取り混ぜて巡っている。
このところ、土日の恒例になっていた。
4回目に選んだのは、渋谷道玄坂、百軒店にある老舗、喜楽である。
昔、20年ほど前、第一次ラーメンブーム
(筆者が勝手に、決めているが、恵比寿ラーメンなどが登場した頃
筆者の学生時代。)以前からある。
明確に、創業がいつなのかは、少し調べただけでは、わからなかった。
参考
(この方によると、少なくとも1978年には、既に、有名店であったようだ。)
台風一過、晴れるといっていたが、どんよりと、肌寒い。
今週は、屋根は開けず、車で向かう。
靖国通り九段上左折、、内堀通り、三宅坂、青山通り、宮益坂、道玄坂。
百軒店は、道頓堀劇場、ラブホテル、謎のカレー屋ムルギー、、などなど
“あやしい”、一角でもある。
以前、明大前に住んでいた頃は、渋谷はそこそこ馴染みのある街で
あったが、ここは来たことがなかった。
少し前のグルメ本には、必ず載っていた店でもある。
開店が11:30。
ちょい前に到着。
さすがに、今でも人気。
1階のカウンターはほぼ満席。(全部で1階は7、8席ほど)
かろうじて1席。座る。
厨房の中は、ラーメン担当の、髭のリーダーらしき、おじさんを中心に
チャーハン・餃子担当、野菜炒め担当(?)の3人。
まだ、準備中のよう。
髭のおじさんは、独特のリズムがあるらしく、
顔を振りながら、無数のどんぶりを並べ、ラーメンダレを入れていく。
もやしの入った、中華麺¥600をベースに、もやし麺、ワンタン麺、
白湯のタンメンといったラインナップ。
基本は、中華料理店のため、チャーハン、レバニラ炒め、餃子などもある。
先代から、台湾系であるという。
レジにいるおばさん(お婆さん?先代のおかみさん?)は
なんとなく、なまっている感じ。
注文。
普通の中華麺にする。
できあがる。
もやし(ボイル)がのり、揚げねぎ、煮玉子(半分)チャーシュー。
麺は、太い平打ち。
煮玉子、チャーシューはかすかに、八角の香りがする。
揚げねぎがポイントであろう。
今どき、揚げねぎは、珍しくもない。
筆者にとって、揚げねぎといえば、「がんこ」。
どの店でも入っていたわけではなかったと思うが、
早稲田の家元の店で食べた記憶があった。
ベースのスープは、しょうゆ味の比較的ノーマルタイプ。
あえていえば、先週の「さぶちゃん」同様、若干甘めに振れている。
そこに、揚げねぎの、香ばしさ、甘さ、油が加わっている。
(スープの甘さ、は、揚げねぎ、が出所かも知れない。)
今、この味、ポジションとしては、やはり、微妙である。
筆者の好きな、元祖恵比寿
のような非常にオーソドックスで完成されたしょうゆ味でもなく、
さりとて、昨今の、いじくり回された、カオスのような
ラーメン群でもなく、年月のせいなのか、揚げねぎだけでは
やはり、特徴に乏しい、ということになってしまうのか、、。
この店、筆者にとっては、
文字通り、東京のラーメン、味の歴史探訪という
意味、を出ないか、、。
近所であれば、好きなワンタン麺も食べてみたいが、
わざわざ山手線を越えて、行くほどまで、ではないか、、。
TEL : 03-3461-2032
住所 : 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂2丁目17−6
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