断腸亭料理日記2004

夏休み特別編・フィリピン・セブ島1

夏休みである。
実際には、筆者の夏休みは今週一杯、日曜日までであるが、
8/4からフィリピンのセブ島へ行き、昨夜8/11に帰国した。

今まで、あまり書いていなかったとも思うが、
筆者、十数年来のスクーバダイバー。
そうは言っても、ゴリゴリやっているわけでもなく、
年に1回のお気楽なリゾートダイバーである。

日常を忘れて、南の島の海に潜るのは
何よりも、リフレッシュできることでもあり、また
妻との年間行事の一つでもある。
(いつも、リフレッシュしているような気もするが、、。)

さて、フィリピンセブ島である。
南の島には、ダイビングをする関係で、様々なところへ行っているが
実のところ、フィリピンは初めてであった。
フィリピンというと、治安もあまりよくなく、
筆者自身、東南アジアの食事があまり好きではない、
と、いうのが、理由であった。

しかし、今回、かなり、認識を変えることとなった。

もともと、東南アジア料理として、経験のあったのは
先日も食べたが、生春巻のベトナム料理、
酸っぱくて辛いスープ、トムヤンクンで有名なタイ料理。
サテーやナシゴレンのインドネシア料理である。
フィリピン料理というものは、あまり日本に紹介されていない
のではないだろか。経験はない。

一方、この地域の料理の味の基本、魚醤(ぎょしょう)は嫌いではない。
むしろ、好きな方である。
しかし、だめなのが、料理に使うココナッツミルク、
生のコリアンダー・香菜。
辛い、あるいは、塩辛いものに、ココナッツミルクを使うのには
どうしても、違和感が捨てきれない。
また、生のコリアンダーは、その独特な青臭い香り、が
やはり、どうしても慣れない。

今回、セブ島でも中心部のセブシティーや、マクタン島からは、
離れた北部のリゾート(アレグレ・ビーチ・リゾート Alegre Beach Resort)に六泊。
食事は、すべて、ここのものである。フィリピン、セブ島の
料理をすべて代表をしているものではないことを、
最初にお断りしておかなければならない。

リゾートであるが、いわゆるローカルフードも
多く、メニューにあった。

フィリピン料理でも、主食は、ご飯。
しかし、日本の米ではもちろんなく、いわゆる、粒の長いインディカ米。
インディカ米は今も、日本でも売られている。
戦後すぐ、日本で米の自給ができなかった頃や、
少し前の米不足の折などには代用米としてタイなどから、
多く輸入されていたが、人気はなかった。
粘り気が少なく、パラパラ。日本人の口には合わない。

しかし、本来、インド風のカレーや、
炒飯・ナシゴレンにはこちらの方が適当である。

筆者は特別に、カレーやナシゴレンにはインディカ米を求めて、
炊くこともある。

肉は鶏、牛、豚、一通り使う。

また、海に囲まれたセブは、当然ながら魚介類も豊富で、
「ラプラプ」と呼ばれる白身の魚がよく出てくる。

これは、ダイビングで見ることもできたが
味は、ほぼ、日本の鱸(すずき)。脂があってうまい。
体長は2〜30cm以上のものもあり、
見た目、皮は赤いが、形は、やはり、鱸に似ている。
仲間であろう。

また、鯵の仲間。尾っぽ近くのゼイゴがないが
形はほぼ、鯵。塩焼きで食べたが、味も、ほぼ鯵。
これもうまい。

えびは、通常の車海老に似たブラックタイガー(?)
かぶとがに、の親戚のようなウチワ型をした、うちわえび。
(これも、ナイトダイビングで見ることができた。)
かには、わたりがにの仲間など。

また、シャコ貝を刺身で食べる機会があった。

シャコ貝は南の島ではどこでも、よく見る貝で、
セブの海にもよく見られる。
貝殻だけでも美しく、置物、小物入れなどとしても、売られている。
海の中では、口を上に向けて縦になっている。
ここの海には大きいものは、口の部分だけで幅7〜80cm以上のものもあった。

シャコ貝の刺身は、以前に、どこであったか忘れたが、
レストランで食べたことがあった。

しょうゆに魚醤、カラマンシー(ライムのような小さい柑橘類)や
唐辛子を漬けた、セブの(?)万能調味料・つけ汁で食べた。
獲り立てでもあり、この貝柱はまことにうまかった。

セブでもこのあたりの海は、まだまだ、ダイビング客も少なく、
ソフト、ハードを含めたサンゴの密度も高く、種類も多い。
実に豊かな海を持っている。

大切にしなくてはいけない。

さて、素材であるが、野菜。
これは、そうかわったものはない。
じゃがいも、たまねぎ、きゅうり、トマト、ナス、かぼちゃ、
ねぎ、そして、にがうり、あたりであろうか。

また、この他に、たまご(鶏卵、アヒルの卵)も変わったものがある。

次回は、具体的なフィリピン・セブの料理について。

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