断腸亭料理日記2004
8月12日(木)第二食
帰国後すぐであるが、妻は仕事へ。
写真のプリントなどのついでに、車で出る。
相変わらず東京は暑いが、何を食べようか。
和食が食べたい、、ような気もするが
今回は、さほどに和食が恋しくはならなかったが、そばか?。
しかし、こう、本当に暑いと、そばでもない。
そうめん、なのであろう。
しかし、やはり、暑い時には、熱いもの。
ラーメンにしよう。
こんなお盆近くにやっている店も少ないか、、。
近所で、まだ書いていない店、
本郷三丁目の「がんこ」に行ってみよう。
上野・御徒町を抜けるが、東京は、
交通量も少なく、街行く人も少なめ。
盆と正月、帰省者で人の少なくなった東京は
筆者のような、帰る場所のない、東京人にとっては、
やっと、帰ってきた故郷でもあるのである。
さて、「がんこ」である。
どこから書けば、よかろうか。
「がんこ」がブームになったのは10年以上前であろう。
看板もなく、電話もなく、営業時間も不定。
店の入り口は黒く塗られ、看板代わりに、
ダシに使う骨が吊るされ、裸電球があてられれば、
それが営業中の合図である。
「元祖一条流がんこ」という。
早稲田から始めた家元、髭の爺さん、一条さんから、一子相伝。
弟子たちの各店は、それぞれ、何代目という肩書きが付く。
ここには、家元が作ったラーメン三か条なるものがある。
一、スープは熱く
一、麺は固く
一、味は濃く
これ以外はラーメンではない、という。
基本的なポリシーを理解できない奴は、食わなくてもよい、
というのが、スタンスであった。
しかし、現在は、創業から時間が経ち、廃業した弟子の店も多く、
また、それぞれ、アレンジを加え、味が変わっている店も多い。
最近はご無沙汰であるが、筆者、家元の店にも何回か通ったこともある。
なかなか、強烈なキャラクターを持っている。
しかし、この爺さん、もともと、学生街早稲田で開業したこともあり
学生及び、若い男に優しい。(筆者は若くないが、、。)
いつも、柔和な笑みを浮かべでいる。
先の「三か条」からくるラーメンの味は
とにかく塩辛い、というのが第一印象であろう。
スープはとんこつ系しょうゆといっていいのであろうか。
こってりとあっさりがあり、こってりは、背脂。
そして、豚バラ肉のチャーシュー(煮豚)が特徴であった。
現在では、珍しくないが、柔らかく煮込まれた、大きなチャーシューは
食べているうちに、溶け出してくる。これがうまい。
麺はかん水が多く、濃い黄色の細めん。ポリシー通り固め。
筆者、葛飾に住んでいた関係で、青戸(現在は移転)にもよく行った。
この界隈にはもう1件、末広町に八代目がある。
ここには筆者、ある理由で、行かないことにしている。
さて、本郷三丁目。ここは、十二代目。
おじさん二人でやっている。
ブームも去っているのか、いつ行っても満席のことはない。
心配である。
いつもは、夜、会社帰りに寄るのだが
今日は、昼。ランチメニューというのがあり
鶏の炊き込み御飯が付く。
また、ここには、がんこでは珍しい、ワンタン麺もある。
塩辛さはマイルドになっており、食べやすい。
チャーシューや、麺はがんこらしいもの。
スープの温度は、「熱い」を標榜するところからは
ぬるいが、用は、まあ、普通、ということである。
ラーメン屋の経営もたいへんであろう。
前にも書いているが、ラーメンジャーナリズムが作り出す
わけのわからないブームが去れば、客は減るのか。
ともあれ、筆者、うまければ通う。それだけである。
少し、わかりずらい場所にあります。
TEL 03-5800-0915
〒113-0033 東京都文京区本郷3丁目28−13
地図
(地図は、当記事作成時点のもので、リンク切れ等の可能性もあります。
悪しからず、ご了承下さい。)
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