断腸亭料理日記2004

蔵前・中華料理・香喜

2月22日(火)夜

こうした日記を書いていると、少ないながらも、
読んでいただいている方から、いろいろなアプローチがある。

現在、この日記は、マグマグのメルマガ
(これは、バックナンバーという形で、マグマグのサイト上に、
残っている。)、断腸亭料理日記本編、はてなダイアリー版、と、
文章としては、まったく一緒であるが、3媒体に流している。

はてなの場合は、ブログという形態のため、コメント、という形、
また、断腸亭料理日記本編には、ゲストブック、
それから、直接、eメール、、、このくらいが、読者の方からの
アクセスの方法であろうか。

つらつら考えてみるのだが、このような、
断定的な文体で書いているためなのか
内容として、自己完結しているから、なのか、読者の方からの
ご意見、文句、感想、ファンメール(?)などなど、どの形態を取っても、
いただく数としては、少ない方ではないのかと思う。
(このため、なんらか、コメントをいただけるのは、
とてもうれしいことである。)

先日、拙亭の近所にお勤めの方から、とある、お店を
ご紹介いただいた。

「濃い味好き」であれば、是非!、ということで、
蔵前の中華料理店、「香喜」というお店。

このお店、有名店でもなく、雑誌などはもちろん、ネットにも、
タウンページにすら載っていない。

場所は、国際通り沿い、
間口一間程度の、小さなお店である。

店内は、細長く、テーブル5、6卓とカウンター。
ご夫婦お二人でやられている。

最初は、先週木曜。そして、昨日、と都合二回。
お勧めは、ピーマンレバー炒め、ということであった。

先週は、肉野菜炒め。
街の、中華屋の基本、と思い、これを頼む。
8時前、といった時間。店の中は、小父さん小母さん、近所の常連さん、
といった方々が、呑みながら、談笑、といった
ちょっと、スナックのような、情景が展開されている。

肉野菜炒め。キャベツと、豚肉のみ。
唐辛子(豆板醤?)も入り、ちょっと辛め。
味は、おすすめの通り、濃い目。
定食で、どんぶり飯と、おつゆが付く。

おつゆが秀逸。
情報によると、木曜日は、これ、らしいのであるが、
豚汁なのか、なんなのか、油揚げ、ねぎ、豆腐が入り、
油も浮いている、、、。その上、これも味が濃い。
肉野菜炒めだけではなく、こちらにも、唐辛子が入っている。
不思議な、味噌汁。なかなか、他にはない。
(もちろん、うまい。)

さて、昨日の、ピーマンレバー炒め、なるほど、他にはちょっとない。

よく、レバカツ、というものがある。
下町の肉屋の揚げ物の定番でもあるが、
ここの、レバー炒めは、パン粉はついていないが、
なにか、衣、のようなものが付いている。

作り方としては、下味を付けたレバーに、小麦粉の衣を付け、
油通し後、なのか、そのままなのか、ピーマンと炒めてある。

味は、しょうゆベースでちょっと、甘味もあり、お得意なのか、
これにも、豆板醤が絡んでいる。
そして、やはり、濃い。
どんぶり飯がどんどん食えるし、つまみにも、よかろう。
かなり、うまい。

おつゆは、かきたまの、澄んだ中華スープ。
これも、お約束で、味は濃く、うまい。

たいへんよいお店を、教えていただいた。

まったく気取らない、こういう市井のお店が、
通っている方々にとっての、本当に、うまい、店であり、
筆者の書きたいもの、であるように思う。

*******************

さて、ちょっと、長くなるが、
まったく無名なお店を、ネットに紹介してしまう、功罪、
この文章を書いている趣旨、など、若干、思うところを追記したい。

この日記を読んでいただいて、
その店へ行っていただく、と、いうことは
書いている本人としては、うれしい限りである。

しかし、筆者の場合、お店の許可をいただいたことは一切ない。

もともと、この日記の、趣旨は、グルメ案内、お店紹介、では、ない。

食べ物や、お店や、そこにいる人々を通して、東京の人、
東京のある一こま、のようなものを書きたい、
と、いうことが、本来のスタンスである。
(つまり、案内ではなく、読み物、として、ということである。)

しかし、こういった、内容・形態で文章を書いている限り、
案内として読まれる方も当然あり、また、
筆者自身も、そのようなスタンスで書いている場合も、皆無ではない。

一度書いてしまったものは、その後、どのように読まれ、
読者の方が、どのような行動を取られるか、と、いうことは、
読者の方に、お任せする以外はない。

お客さんが来てくれるのはうれしいが、
マナーが悪かったり、小難しいことを言われたり、、、、
などということも、過去、なくはないようである。
(基本的には、程度問題であり、また、それぞれの方の
自己責任であろうかと、思う。)

今日の「香喜」についても、ご紹介いただいた方や常連の方々が
大切にしておられる、よいお店である。

そこで、tel、地図などは、載せす、
こういった背景もご理解いただき、ご興味があれば、
捜していただければと思う。

『募集』
そんな、背景もありながら、これを機に、「断腸亭に食わせたい店」、
随時、大募集。是非、ご紹介いただければ、うれしく思います。


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