断腸亭料理日記2004

浅草・洋食・グリル佐久良

4月25日(日)第1食
昨日は寝そびれてしまった、11:30起床。
妻は、家で仕事。

少し肌寒いが天気もいい。何か食べに出よう。

洋食がいいだろう。
ヨシカミもよいが、土日はかなり混む。
少し調べる。浅草でもまだまだ、行ったことのない店が多い。
グリル佐久良。観音様周辺ではない。
言問通りの北。5656(ゴロゴロ)会館の脇の道(柳通り)を入る。
この通りには、これからの季節、植木市が立つ。
5656会館から二本目の路地、浅草見番*を右に入り、
さらに次ぎの路地を左に曲がった、右側にある。

このあたりは最盛期・大正末期頃には、
1000人以上の芸者衆を抱え、たいそう栄えた、
浅草花柳界の中心である。
筆者など、縁はないが、今も料亭、割烹が
10数軒があり、芸者衆もいる。
場所柄、まわりは落ち着いた雰囲気である。

カウンターと奥にテーブル席二つほどの小さな店。
料理人のご主人と、奥さん二人でやられている。
ここに店を開いて、20年弱と浅草の他の洋食屋と比べると
さほど長くないが、ご主人は15歳から修業をされていたという。

13時頃であったが、他に客は、初老の夫婦が二組。

二人の雰囲気が非常に温かく、そのまま店の雰囲気になっている。

なにがよかろう。
洋食屋の看板はデミグラスソース。
だが、いきなり、第1食からビーフシチュー、
ハンバーグというのも、ちとヘビーである。

筆者が洋食の中でも、わりあいと好きなのが
クリームコロッケ。

かにクリームコロッケ、妻に、持ち帰りでカツサンドを頼む。

少しあって、運ばれる。
形はまん丸。大きなものが二つ。付け合せは生野菜とポテトサラダ。

かなり食べでがある。
ホワイトソースの味。しっかりしているが、くどくはない。
どちらかというと、上品な味ではないかと思う。
油も、ラードではないと思われる。

これも場所柄か。花町の優しい洋食屋である。

地図


*見番:その土地の料理屋・芸者屋・待合(まちあい)の業者が

集まってつくる三業組合の事務所の俗称。また、近世、遊里で、

芸者を登録させ、客席に出る芸者の取り次ぎや玉代(ぎよくだい)

の計算などの事務を扱った所。大辞泉

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