断腸亭料理日記

えびおろしそば

6月28日(月)
梅雨の晴れ間。蒸暑い日である。

名古屋は特に暑い。

昼飯。
オフィスの入っているビルの地下のうどん屋。

名古屋のうどん屋(そば屋)の夏と言えば、これである。
えびおろしそば。

これは、最近は東京でもメニューとして定着している、
いわゆる「冷やしたぬき」の類。
冷たい汁かけのうどん、そばをどんぶりで食べる、というもの。

東京では、冷やし中華のように、きゅうり、なんぞまで、ごてごて載せ、あまり粋なものでは、ない。

名古屋では、この類のものを総称して一般に「コロ」と呼ばれ、
曰く「うどんコロ」「そばコロ」「きしめんコロ」などと使う。
なんであろう。この「コロ」とは?妙な音である。
由来は不明。

この、「コロ」のなかでも、ひときわ、輝きを放つメニューが
表題の「えびおろしそば」である。

この季節になると、店舗の壁などに、筆文字で貼り出される。

内容は、いわゆる「ころ」で、具材に大根おろし、花かつお、もみ海苔などに、
海老天が載る。

これぞ名古屋。「ころ」の最高峰である。

昨年、初めて、このメニューに接したが、なかなか、
「えびおろし」とは、うまそうな名前である。

それにしても、海老天である。名古屋人にとっては豪華なものの象徴。
価格も\1,000を超える店もある。

味は、もちろん、店によって、上下ある。
しかし、この組み合わせは、よい。

(東京人は東京以外で、「ざる」を含めた、この手の、
汁つけ蕎麦は食べない方が無難である。絶対に、味が合わない。
私は、滅多に食べない。
ちなみに、名古屋のつゆは、出汁は利いているが、しょうゆが薄く、甘い。
えびおろしはいいが、つゆが残念である。)

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