断腸亭料理日記2024
4635号
9月2日(月)夜
さて。
今日はうなぎ。
ご近所[やしま]。
内儀(かみ)さんが予約をしていた。
もうお馴染み。
ここへ引越してきてからのお付き合いなので、
20年くらいにはなろうか。
東京のうなぎ料理店の組合の、春秋のお彼岸の行事、
浅草寺での、放生会(ほうじょうえ)に立ち会わせて
いただいたり、長いお付き合いである。
放生会というのは、仏教の行事で、功徳を積むために
生き物を放すというもの。
きちんと調べていないが、一般、民間でも明治あたりまで
行われていたのではないかと思われる。
落語に「後生うなぎ」というのがあるが、橋の袂に
川に放すために魚や亀などを売っていた。
うなぎ料理店組合の放生会は、小さなうなぎを、
浅草寺の本坊、伝法院の池に放す。
ともあれ。
予約は18時半。
小島町交差点を渡って、拙亭から5分とかからない。
入って、名乗り、ご主人にご挨拶。
座敷にあがる。
瓶ビールに、肝焼きがないかと聞くと、
今日はなし、とのこと。
白焼き一人前と、お重。
どちらも小さい方。
ビールがきた。
お通しは、味噌豆。
毎度書いているが、ゆでただけの大豆。
味噌にするための豆なので、味噌豆というのか。
これをからしじょうゆでつまむ。
これも落語というのか、江戸小噺にある。
食べ始めると、止まらなくなる、と。
こんなシンプル、素朴なものだが、
うまいもんである。
まさにいくらでも食べられる。
白焼きがきた。
やはり、皿が取り皿も含めて、すべて
温められている。
白焼きは、冷ましてはいけない。
これは鉄則なのであろう。
生ぐさくならぬよう。
どこぞの老舗有名店でゴールデンウィークで
混んでいたからか、かなり生ぐさいものを出された
ことがあった。
やはり、そんなところでもなにかのはずみで
そんなことになってしまうのかもしれぬ。
添えらているのは、生のわさびと塩、オリーブオイル。
私はやっぱりわさびじょうゆ。
蒲焼よりもパリッとした食感に、さっぱりした身。
そして、よい脂。
これぞ江戸前の粋というものであろう。
うまい、うまい。
そして、きた。
うな重。
ふたをあけて、山椒を振る。
毎度書いているが、この瞬間が堪らない。
これから、うまいうな重を食べられるという
どきどき、わくわくの儀式。
アップ。
ここの蒲焼は、甘味が気持ち抑えめで、
きりっとして江戸前といってよろしかろう。
比較的、浅草のうなぎやに多い味付けであろう。
そして、堅めに炊かれた飯。
東京の飯は、こうでなくてはいけない。
特につゆのかかる丼物は。
うまい、うまい。
やはり、夢中で掻っ込む。
うまかった、うまかった。
腹一杯。
勘定は二人で、15,000円ちょうど。
ご馳走様でした。
ご主人にご挨拶。
ちょっと立ち話をし、帰る。
03-3851-2108
台東区小島2-18-19
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