断腸亭料理日記2024
4668号
10月27日(日)夜
さて、スパイスカレーを作ろう。
随分久しぶり。
だが、いつもと同じではちょっとおもしろくない。
どうしようか。
以前に南インド風で牡蠣であったか、貝を入れた
レシピで作ってみたりしている。
が、どうももう一つ、ピンとこなかった。
南インドの魚介系だと、どうしてもココナッツミルクを
入れるレシピになるのだが、ココナッツミルクの
カレーは私は苦手。どうしてもココナッツというと
甘さを想起させられるのに、甘くない。この違和感を
ぬぐい切れないのである。
それで、ただ抜いただけだと、イマイチ感絶大。
いつものレシピをちょっとアレンジして、魚を入れてみる。
これは、モルジブ風!?。
モルディブ風だと、今はココナッツミルクが入るのが
一般的かもしれぬが、以前は入らない方が多かった
のではなかろうか。
私は30年前から、もちろんリゾートだが、モルディブに
行っていたわけで、カレーは必ず出ていた。
さっぱりしたサラサラのカレーでうまかった。
モルディブには、日本の鰹節に近いものがあり、
これが出汁のような使われ方をしている。
魚はなにがよかろう。
今の魚売り場だと、鱈が出始めている。
あるいは鮭。
うーん、どちらもモルディブではないか。
白身はカレーに合わないこともなかろうが、
鮭はまずないか。
やはり、インド洋、カジキ、マグロ、カツオあたりが
適当ではなかろうか。
近所のスーパーを覗いてみる。
カツオは今年、やはりよく獲れているよう。
生の小型のもの、一匹の1/4で500円。
これにしようか。
先に鰹削り節で出汁を取っておく。
普通、私のスパイスカレーのレシピはキューブのブイオン
を使うがこれを鰹出汁にする、のである。
ただ、これ、注意したいのはあまり濃い出汁にしない。
濃いのはよいのだが、しょうゆは入れていなくとも、
なんとなく、そばやのカレーに近いものになって
しまうのである。
それから、これもいつもの通り、ホールのスパイスを
あたり鉢で粉にしておく。
クミン、フェンネル、コリアンダーシード、ガルダモン。
こんなところ。
玉ねぎ3/4個、ブンブンチョッパーでみじん切り。
にんにく、生姜もみじん切りで用意。
ここは、いつものスパイスカレーのと同様だが、
少し前から、スパイスのテンパリングと簡易飴色
玉ねぎを同時にやってみている。
それで今日はちょっと、考えてみた。
まずは、テンパリング。
意図は香りを出す、というのだが、実のところ
あまりピンときていない。
私のような素人が果たして効果的にできているのか、
これが甚だ疑問なのである。
焦がしてはいけないとよく言われる。
これが、まずよくわからない。
つまりどこからが焦げているのかが、わからない。
マスタードなど、パチパチ跳ねて、色が変わってくるが
色が変わる、というのは、焦げている?。
まあ、そんな感じで、よくわからない。
また、熱に強いもの、堅いものから、など、いろいろ説が
あって、はっきりしない。
また、せっかく香りを立てても、煮込めば結局飛んで
しまいそうに思うのである。
まあ、そんな感じで、甚だ心もとない。
まず、テンパリングと飴色玉ねぎは別にすることにする。
先に飴色玉ねぎ。
にんにく、生姜も、テンパリングの仲間に入れる。
生姜は香りが飛びやすいようなので。
魚のカレーなので、さっぱりしすぎてしまうので
炒めるのはバター。
中火。
熱が入り、しんなりしてくる。
さらに加熱。
あまり混ぜない。
つまり、フライパンに触れている部分から焦がしていく。
色が変わってきたら、混ぜる。
この繰り返し。
色が付き始めたら、水を少量加える。
ずっと中火。
全体を混ぜ、段々に色が濃くなる。
また、水を少量。
水を入れないと、あっという間に焦げてしまう。
水を入れて、混ぜる、水が飛び、色が濃くなる。
この繰り返し。
どうであろうか。
そこそこよい色にはなってきている。
もっと濃くした方が、らしい、の、かもしれぬが、
これ以上はちょっと怖い、のである。
一気に真っ黒になりはしないか、と。
まあ、考えてみれば、この飴色時短作戦をする以前、
普通に炒めていた頃もこの辺で終わっていたような、
気がするが。
ともあれ、ここでストップ。
これは、ここで置いておいて、テンパリング(?)。
にんにく、生姜、みじん切り、シナモン、ローリエ、
マスタード、クローブ。
ここに、バター。
ちょっと足らないので、サラダオイルも。
どのくらいがよいのかわからぬので、なんとなく
軽く、マスタードが跳ねるくらいで、止める。
つづく
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