断腸亭料理日記2024
4680号
引き続き、浅草[弁天山美家古寿司]。
つまみ二品、にぎりでいか、白身、光物ときた。
次は、私は貝類にしている。
あれば決まって頼む、平貝。
貝類もここは、完全な生、というのはほぼない
のではなかろうか。薄い酢に漬けている。
これも然り。
東京では平貝というのが普通だが、貝の名前、和名は
タイラギというが、これは関西の呼び名のよう。
大きな貝でその貝柱。貝柱の大きさもちょうどほたてくらい。
ただ、食感がほたてと違ってサクサク。
これがよい、のである。
もう一品の貝類は、煮はま。
煮蛤(にはまぐり)。
かなり濃い甘辛の上に甘いたれを塗っている。
これも実際には煮てはおらす、漬け込んでいることが
多いよう。縮んでしまうからか。
先日、蛤の鍋をやったが、あれよりもかなりでかい。
煮はまにするには、このくらいは必要であろう。
もちろん、値段も。
次は、煮いか。
先に食べた生のすみいかではなく、火を通した
するめいか。
これも甘いたれ。
今、東京の鮨やで煮いかを置いている鮨やはまずない
と思うが、にぎり鮨が江戸の町で生まれた頃からの
正しい江戸前の種である。
生のいかをにぎりにするようになったのは、
明治になってからと聞く。
次は、海老。
ゆでた車海老だが、これも甘酢漬け。
普通ゆでて置いておけば、パサパサになるが
それを防げる。
そして、ここがポイント。
おぼろをはさんで、にぎっている。
おぼろが好きな内儀(かみ)さん用に別皿で。
酢飯の方にも、おぼろをまぶしてくれたもの。
毎度書いているが、内儀さんはおぼろが大好き。
おぼろ、というのは、芝海老に熱をかけながら
叩いて繊維をほぐして甘く味を付けたもの。
まあ、上品なでんぶ、で、ある。
海苔巻に入れたり、こうして酢に漬けたねたにはさんだりする。
小肌のにぎりにはさんでもよいのである。
そして、これ。
かじき、で、ある。
若親方曰く、まかじき、とのこと。
すごい脂。これは格別。まさにトロ。
初めて?。
かじきを生でよく食べる、北陸、富山、金沢で、
かじきといって、なん度も鮨やで食べている。
中で、かじきの大トロ、なんといって出されて食べた
記憶もある。知らずにまかじきを食べていたのかも
しれぬが。
通常、魚やに売っていて、私もカジバタにするのは、
めかじき。
まかじきは、かなりレアもので、脂があり高価、とのこと。
もちろん、先のおつゆと同じもの。
脂があるので、ねぎま汁にした、とのこと。
(元来のねぎまは、まぐろの大トロをしょうゆで煮る。)
さて、追い込み。
まぐろ中トロ。
ちょっと、失礼な言い方になってしまうが、
これ、ここで食べた中トロの中で、最も
うまいのでは、なかろうか。
とてつもなく、あまく溶けるよう。
内儀さんもそういっていたので、間違いは
ないと思う。
今まで、ここの中トロはなん度も食べているが。
なにか、違うのかもしれない。
若親方は、特に違うと言っていなかったが。
そして、ヅケ。
これも、かなり、うまい。
いつもうまいづけ、ではある。
これは、同じ?。
わからぬが。
さて、最後。
巻物。
ひもきゅう巻き。
赤貝のひもときゅうりの海苔巻。
いつもは、さび入りの干瓢巻が、ノーマルな
鉄火巻が多いのだが。
特に、深い意味があったわけではない。
さっぱりしているので、若い頃、巻物の中でも
好きなものではあったし、ひもきゅう、という
呼び名もなにか好きであった。
まあ、今日は、目の前のショーケースにずっと
見えていたから。うまそう、だと思って頼んだ。
もちろん、うまい。
内儀さんの最後。
酢飯なしの、玉子焼き。
やっぱり、おぼろたっぷり。
以上、ここまで。
いつも通り、うまかった。
勘定は、二人で22,000円也。
ご馳走様でした。
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