断腸亭料理日記2024
4676号
11月9日(土)第一食
さて、鮨、で、ある。
やっぱり、定期的に食いたくなる。
毎度お馴染み[浅草まぐろ人]。
今日も雲はあるが、よい天気。
最高気温は17.5℃(13時09分)。まあ、並、か。
14時すぎ。
土曜なので、いや、このところいつも、か、
立ち喰いは、あいてないかもしれぬ。
きてみると、案の定、外に列。
見たところ外国人のよう。
踵を返して、新仲見世の本店へ。
意外とも思えるが、こちらのかなりの空席。
奥にテーブル席もあり、こちらは埋まっているが
カウンターは、東洋系と見られる外国人観光客カップルと
日本人の比較的年嵩の女性一人。
カウンター、奥の板さんの前に掛ける。
やはり、お酒かな。ぬる燗で。
さすがに、ちゃんとぬる燗。
昨冬もここで呑んだが、徳利に名が入っているが、麓ヰ
(ふもとゐ(い))、山形庄内、酒田。生もと系で、
しっかりした?み口。うまい酒である。
形通り、いかと、鯛、平目。
いかは、もちろん、すみいか。
そこそこ大きなもののようだが、かなり柔らかで、
あまい。
鯛は、皮なし。立ち喰いの方は皮を残したものが
多かったと思うが、なにか使い分けているのか。
平目も食感よし。
引き続き、白身。
いつも通り、右しまあじ、左かんぱち。
どちらも、よい歯応えと、うまみ。
一番左が、さより。
さよりは、基本光ものに入れるが、やはり、頼む場所は
白身と光物の間がよろしかろう。
味は限りなく白身、である。プリっとした食感も好ましい。
私がさよりを魚やで見るのは、春の方が多く、旬は
春かと思っていたが、秋も旬らしい。
さよりにぎりというのは、見た目、味も、儚く、尊い。
なにか、不思議な魚、で、ある。
光物。
右から、まだあった、秋刀魚。鰺と鰯。
セットだったのか、別皿。
秋刀魚は今シーズンなん回か食べているが、脂たっぷりの
面影はまったくない。その頃は、炙ったりして、無理矢理
にぎっていた。が、今の秋刀魚は、もはや、鰺鰯と同様の
普通の青魚として考えてよろしかろう。その上で、うまい魚で
ある。鰺と鰯も、よし。
引き続き、光物。
小肌と〆鯖。
比較的、水分多めの〆具合。
立ち喰いもここも同じであろう。
改めて思うが、ここにくるようになってそう長くはないが、
いつ頃から、こうなったのであろうか。
他の鮨やでも、同様のようにも思う。
以前の〆鯖、小肌といえば、きっちり真っ白に
〆ていたと思うのだが。
今度聞いてみようかしら。
酒は、お仕舞。
味噌汁とお茶に。
味噌汁は、海苔があったので、もらってみた。
お茶が熱くてよい。
なんとなく、いつもこの位置。
ふぐ。
あれば、どうしても頼んでしまう。
こりこり、堅めのふぐらしい食感が愉しい。
ぽん酢しょうゆを掛けてある。
これが、にぎり鮨に合っているのか、議論はあろう。
従来の江戸前にぎりからすれば、やはり違う。
が、馴れもあろうが、こういうにぎりが、あっても
よいだろう。
前回もあった、くじら。
前回はノーマルな赤身にしたが、今回はさえずり。
海苔でとめてあり、その上に辛子。
白い。これ、舌らしい。つまり、鯨タン?。
脂、なのか。薄いのでわかりずらいが、おそらくそう、
なのであろう。それも、生?。
かなりしっかりした食感。
元来は刺身で食べるもの、なのであろうが。
これこそ、にぎりに合っているのか。
まあ、今時、なんでもあり、なのであろうが。
今日は、なんだか、腹一杯。
そろそろ、終盤。
中トロ。
板さんの背後の壁に種の木札が貼られているが、
まぐろのところに「大間」と書かれた紙札が上から
貼ってあるのに気付いた。
やっぱりここ、近海のブランド生まぐろを使っている
のである。
割にしっかりした食感と、ほどよい脂。
まさに堪えられぬ。
ラスト。
ホワイトボードにあった、筋子。
軍艦ですか、と聞くと酢飯の上にのせます、と。
これ。
筋子というから、ほぐしていない、のかと思ったが、
どうして、ちゃんとほぐれている。
いくら。謙虚なのか?。わからぬが。
比較的濃い味のしょうゆ漬け。秋らしく、うまい。
以上。
勘定は、5300円。
うまかった。ご馳走様です。
台東区浅草1-1-11
03-5828-5838
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