断腸亭料理日記2024
4562号
5月14日(火)〜
火曜日。
例によって、あてもなしに吉池に寄る。
すると、珍しい。
開いた小肌があった。
おそらくいつもあるのだろうが、数が決まっており、
午後にはまずない。
あるのなら、買うべきであろう。
もちろん、酢〆にしてにぎりの鮨にする。
4枚購入。一枚100円ちょっと。
このところ、しばらくにぎり鮨はやっていない。
赤酢の酢飯である。
今まで赤酢を使った酢飯でにぎり鮨、巻物、
ちらしなどなど、作ってきた。
もちろん、にぎりが一番難しい。
大きさ形。最初は大きすぎたり、そもそも形に
ならず、ぼろぼろ崩れたり。
もちろん、100%自己流。
だが、やっているうちになんとなく形に
なってくるもので、今は、そこそこ食べられる
ものにはなってはきたと思われる。
小肌を〆るには、一日かかる。
よって、実際に食べるのは、明日。
まずは、塩。
両面、しっかり。
これで、2時間。
2時間後。
これを酢洗い。
酢で洗う。
透明なノーマルな酢の残りが少ないので、
赤酢で。
これを水と半割、50%の酢に漬ける。
これはノーマルな穀物酢。
50%の酢に漬けるのは、塩抜きも兼ねている。
塩だけ抜いて、酢を入れる。
科学的なメカニズムをきちんと説明できないが、
これがちょうどよい。
漬ける時間は1時間以上であればよさそうである。
漬けると身が白くなっていくが
ある程度をすぎると、変わらなくなる。
これが1時間程度か。
この水気をペーパータオルで拭き取り、常温に干す。
プロはそのまま、置いておくようだが、
酸化もしていくので、なんとなく気になるので、
私は、夜中に、ラップに包んで、冷蔵庫に入れておく。
さて、翌日。
準備は飯台を水を掛けて湿らせておく。
乾燥しているので、箍(たが)が、ゆるゆる。
そうである。生わさび。
やっぱり、わさびは生がよろしかろう。
御徒町の松坂屋にはなく、吉池。
1000円の小さいものはなく、大きなもの2000円超のもの。
小肌だけでは飽きてしまうので、同じく吉池で
握れそうな形に切ってあるまぐろ中とろを購入。
夜、作り始める。
と、いってもここまでくれば、飯を炊くくらい。
二合、酢飯・カタメモードでスイッチオン。
冷蔵庫の小肌を出す。
こんな感じ。
まぐろ。
バチマグロ、太平洋、解凍もの。
わさびは先の方の皮をむき、
おろす。
飯が炊けたら、蒸らし時間8分取り、1合分飯台へ。
40tの鮨酢だが、8割赤酢、2割穀物酢。
掛け回し、混ぜ込む。
冷め始めたら、すぐにやめて、置く。
これも8分。
小肌は半身に切る。
裏にわさびを塗り、にぎる。
とりあえず、小肌四つ、まぐろ三つ。
上野広小路の[酒悦]で買った瓜の浅漬けも出す。
上からしょうゆをたらし、ビールを開け食べる。
まぐろはまあ、握っただけだが、うまい。
小肌。
なかなか仕上がり具合も、よくできたのでは
なかろうか。うまい。
厚みもよし。
いつも思うが、江戸前にぎり鮨の中では、なんといっても
No.1ではないかと思うのである。
この皮目の美しさ。そして、味。まさに粋。
今日は、よし。
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