断腸亭料理日記2024
今日は麺類二軒。
4608号
7月24日(水)第一食
浅草田原町・寿二丁目[麺 みつヰ]
さて、また、と思われるかもしれぬが、
ここ。田原町のラーメン店[みつヰ]。
ミシュラン掲載経験のある店、やはり特筆すべき
ところであろう。
西浅草で開店し、当初一度行ったが、おそろしい行列に
また、店に入ってからも随分と待たされた。
いくらうまくとも、これでは行けない。
ここから、今の田原町交差点の南西側に移転し、
列もあまり見なくなり、整理券制になったようで
きてみたところである。
おろし、というのと、しょうが、を食べた。
おらしは、ラーメンとして稀有。驚きのうまさ。
ここには、ソースかつ丼があったり、加賀蓮根が
あったり、福井、金沢に縁があるよう。
北陸がご主人の出身であろうか。
ともあれ、まだ、ノーマルな塩、しょうゆを
食べていない。食べなければ。
午前中から、かなりの暑さ。
最高気温36.0℃(10時17分)。
14時すぎ、到着。
一人、二人の待ちか、整理券を一応取るが、
すぐに入れた。
予定通り、塩とソースかつ丼を注文。
ここのご主人は、私よりは上、60後半か70に入られているか。
ロマンスグレーの上をきちんとなでつけ、同じく
鼻の下に銀のちょび髭。寡黙。
緻密な職人、といった佇まいに見える。
店内にはジャズが流れる。
女性二人も、私よりも上かもしれない。
それで店は大人の寡黙でちょっと知的といってもよい
雰囲気になっている。
こんな感じだが、タカビーな感じは一切なく、掛ける
言葉にもホスピタリティーにあふれている。
きた。
ちょっと小ぶりの器。
麺は細麺ではなく、太麺を選んだ。
平打ちの縮れ。
やはり、こちらがお勧めのよう。
この麺はもちろん、スープによくからむし、かなりのプリプリ、
しこしこ、気持ちのよい口当たり。
そして、やはり特筆すべきはスープ。
微かに水面に、鰹節系?の粉のようなものも見える。
鶏がベースともいうが、魚介も入っているのか。
が、やっぱり濃厚なコクがあり、とにかくバランスが取れている。
なにが入っているのか、なんというのは、もはや
どうでもよい。
薄いソースかつ丼もいつも通りうまい。
うまかった、ご馳走様でした。
麺 みつヰ
X(旧twitter)
台東区寿2-9-15
7月25日(木)第一食
浅草橋二丁目・新福井町・蕎麦[多奈可家]
さて、ここ。
ご存知であろうか。私は知らなかった。
界隈では名物だったよう。
先日の[一新亭]のちょっと南。福井町通り沿い。
ここまでくると、鳥越ではなく銀杏岡八幡の範囲。
前はよく通っているが、目の中に入ってしまうような
小さな古い町のそばや。
台東区ならばどこにでもあるような、いや、あった、か。
今となってはもはや貴重かもしれぬ。
大正10年(1921年)創業で現ご主人で三代目との情報。
拙亭同町内の元浅草[砂場]も明治32年(1899年)創業で
五代目という。続いているところは、あたり前のように古い
といえるのかもしれない。
福井町通り北側。[ヌードルボウズ n坊]の向かい。
夜は18時までのようだが、貴重な通し営業、土日休み。
(google map情報)
14時すぎ、到着。
間口が文字通り一間ほどか。
暖簾を分けてはいると、ちょっとずれているが、
大いににぎわっている。若い人も、高齢の方もいる。
一番奥の一人掛けの小さなお膳へ。
木造で古いが、よく見ると中は木札の品書きなど、
なかなか洒落た造作になっている。
セットのようなものはなく。
なにを頼めばよいのか、わからない。
ざる、というのもなんなので、冷やしたぬき、
にでもしようか。
きた。
なにか、見た目少ないようだが、味もよし、
ざる一人前の量はあるよう。
食べ終わって、勘定。
450円。
え?。
450円。
そうなのである。
ここ、激安、なのである。
もり・かけがなんと370円。路麺(立ち喰い)より安かろう。
かつ丼580円。
心配してしまう値段である。
威勢のよい、ありがとうございま〜す、の
ご主人の大きな声。
ここ、すごかろう。
台東区浅草橋2-5-2
03-3851-9433
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