断腸亭料理日記2024
4697号
12月14日(土)夜
さて、浅草田原町の焼鳥[鳥なお]。
ちょっと久しぶり。
やはり人気で予約は、5時から、と、早い時刻。
5時開店。数分前に着いて、待つ。
なかなか、寒い。
灯りがついて、暖簾を掛けに女将さん(?)が
出てくる。
あ、どうぞ。
カウンター、一番奥へ。
上着を脱いで、壁のハンガーに掛ける。
ここは、5500円のおまかせのみ。
なにか、カウンターの向こう、随分と人が増えている。
一時は、ご主人と女将さん(?)二人のこともあったが、
前回は、もう一人男性が増え、今日はさらに二人増えて
いる。
寒いが、やっぱり最初はビール。
サッポロラガー。
一品目は、これ。
温かい、お椀。
ここの一品目は、夏であれば冷たいもの、
冬は温かい汁物が出る。
あたり前なのであろうが、うれしい心遣いである。
澄まし汁。
実は、なんでも蓮根だんご、とのこと。
青味は三つ葉、ゆずも浮いている。
だんごは、鶏。蓮根も入っているのかもしれぬが、
トウシロウには、わからぬ。
後で調べると、和食では蓮根をおろしてだんごにする
というのがあるよう。
寒いので、お酒にしよう。
ぬる燗。
ご主人が一番向うの火の前から、お酒はどんなのが
いいですか〜?と、聞いてくれる。
辛口とか、甘口とか、、
あ、辛口で!。
といって出てきたのが、これ。
知らない酒である。
宝剣、というよう。
広島呉、とのこと。純米超辛口。
東日本の人間からすると、西の酒というと、甘口が多い
と思いがちだが、そんなことは決してない。
広島だったら加茂鶴など辛口で有名だし、高知の酔鯨も
辛口、で、ある。
そういえば、日本の酒がユネスコ無形文化遺産になった。
これは、目出度い。日本酒だけではなく「日本の伝統的
酒造り」ということで、焼酎、泡盛も入っているのが
行き届いたものである。
日本酒というのは醸造酒である。世界的にも醸造酒
として、アルコール度数の高さはトップクラスと
聞いたことがある。(普通、日本酒は濃すぎるので水で
薄めているのである。)
蒸留はせず酵母菌の発酵のみで作る醸造酒としての
酒造技術の高さを物語っている、と。
科学を知らなかった頃からの杜氏(酒造職人)の技術
レベルには端倪(たんげい)すべからざるものが
あるといってよろしかろう。
誇るべきことである。
閑話休題。
ここから、焼き物。
ここの焼き物の順番は毎回ほぼ同じ。
最初は、ささみ。
のっているのは、山わさび(ホースラディッシュ)。
毎度書いているが、ここの焼き物の火の通り方は
ちょっと尋常ではない。
普通、炭火で焼いても遠赤外線の遠火の強火で
火を通す。表面はこんがり、中ジューシー。これも
十分うまいのだが、ここは、そうではない。
火の前に座るとわかるのだが、もしかすると通常の
焼鳥やの倍以上時間を掛けて焼いているよう、なのである。
こうするとどうなるかというと、水分を含んだままで
ふっくら。表面も、ものにもよるが、焦げ目は
ほとんど入っていない。
ささみなど、普通焼鳥にはしなかろう。
すぐにパサパサになってしまう。
これが、まったくそんなことがないのが、ここの技。
そして、今日の山わさび。これは効いた。
飛び切り辛い。
これ、実は季節の問題のよう。夏、ここで食べたものは
かなりマイルドであった。(採れる時期の問題で、主産地の
北海道では冬が収穫時期のよう。)
次。
銀杏。
まあ、なんということはないが、うまい、
もんである。
焼鳥には欠かせない。
渋い脇役。
塩がうまい。
次は、これ。
ハツ、と、言っている、心臓。
塩。
意外にハツというのは脂がある。
血管なども付いているのだが、縦に半分に切って
きれいにしてある。
鶏のハツというのは、普通に肉売り場に売っている。
見てお分かりであろうか。
そう、鶏レバーに一緒に入っている。
なぜであろうか、わからぬが。
ハツだけでは売っていない。まあ、これだけを
買う人もいなかろうが。
次は、これ。
つづく
050-5593-4854
台東区雷門1-5-9 いさよビル 1
※お願い
メッセージ、コメントはFacebook へ節度を持ってお願いいたします。
匿名でのメール、ダイレクトメッセージはお断りいたします。
また、プロフィール非公開の場合、バックグラウンドなど簡単な自己紹介を
お願いいたしております。なき場合のコメントはできません。
断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5|
2004 リスト6
|2004
リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10
|
2004
リスト11 | 2004 リスト12
|2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005
リスト15
2005
リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20
|
2005
リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006
6月
2006 7月 |
2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006
12月
2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |
2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月
2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月
2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |
2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |
2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |
2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |
2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |
2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |
2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |
2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |
2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月
2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2014 9月 |
2014 10月 | 2014 11月 | 2014 12月 | 2015 1月 |2015 2月 | 2015 3月 | 2015 4月 |
2015 5月 | 2015 6月 | 2015 7月 | 2015 8月 | 2015 9月 | 2015 10月 | 2015 11月 |
2015 12月 | 2016 1月 | 2016 2月 | 2016 3月 | 2016 4月 | 2016 5月 | 2016 6月 |
2016 7月 | 2016 8月 | 2016 9月 | 2016 10月 | 2016 11月 | 2016 12月 | 2017
1月 |
2017 2月 |
2017 3月
| 2017 4月 | 2017
5月 | 2017 6月 | 2017
7月 | 2017 8月 | 2017
9月 |
2017 10月 | 2017 11月 | 2017 12月 | 2018 1月|2018 2月| 2018 3月|2018 4月 |
2018 5月 |
2018 6月|
2018 7月|
2018 8月|
2018 9月|
2018 10月|
2018 11月|
2018 12月|
2019 9月 | 2019 10月
| 2019 11月 | 2019 12月
| 2020 1月 | 2020 2月 |
2020 3月 |
2020 4月 | 2020 5月
| 2020 6月 | 2020 7月
| 2020 8月 | 2020 9月
| 2020 10月 | 2020 11月
| 2020 12月 | 2021 1月
| 2021 2月 | 2021 3月
| 2021 4月 | 2021 5月
| 2021 6月 | 2021 7月
2021 8月 | 2021 9月 |
2021 10月 | 2021 11月 |
2021 12月 | 2022 1月 |
2022 2月 | 2022 3月 |
2022 4月 | 2022 5月 |
2022 6月 | 2022 7月 |
2022 8月 | 2022 9月 |
2022 10月 |
2022 11月 | 2022 12月 |
2023 1月 | 2023 2月
| 2023 3月 | 2023 4月 |
2023 5月 | 2023 6月 |
2023 7月 | 2023 8月 |
2023 9月 | 2023 10月 |
2023 11月 | 2023 12月 |
2024 1月 | 2024 2月
| 2024 3月 | 2024 4月 |
2024 5月 | 2024 6月 |
2024 7月 | 2024 8月 |
(C)DANCHOUTEI 2024