断腸亭料理日記2023
4303号
3月20日(月)第一食
さて、今日は、そばだ。
今日も暖かく、天気もよい。神田[まつや]だ。
14時台、例によってグーグルマップの混雑・ライブを
調べると「通常に比べて混んでいません」とのこと。
着くと、、、、!?。
列。
急に混んだわけでもなかろう。
ハズレ、なのか、これでも少ない方なのか?。
どうする?。
ここからだと、そばは?。
上野、浅草に戻る?。
うーん。
あ!。
室町[砂場]。
神田の隣は、日本橋である。
ここまでくればすぐだ。かなり久しぶりかもしれぬ。
靖国通りを渡って、中央通りではなく、
裏通りを通ろう。
神田多町、鍛冶町、JRをくぐって、ワンブロック。
ここから中央区日本橋室町。
左に曲がって、角が、室町[砂場]。
明治2年(1869年)創業。
まあ、池波レシピといってよいと思うが、
先生の訪れた頻度は他のそばやと比べて、
そう多くなかったかもしれぬ。
砂場の起源は江戸初期以前の大坂と言われている。
虎ノ門大坂屋[砂場]は古そうなのだが
明治5年(1872年)の創業とのことで、数年若い。
このくらい古いと、もう関係はわからない、ので
あろう。
ただ、どちらも明治の0年代創業。
討幕軍に抗(あらが)った旧幕臣、佐幕藩士らは
お尋ね者になり、薩長土肥の兵士が見回り、追う。
東京と名をかえた江戸はまだまだ治安もわるく、
新東京市民は毎日大きな不安を抱えていた頃である。
それでも、たくましくそばやを開業していた
ということになろう。
ただ幕末を乗り越えるよりも、これから開ける未来を
感じていたのかもしれぬ。
ともあれ。
暖簾を分けて入る。
テーブルでも、小あがりでも、というので
小あがり、一番奥へ。
もうお酒冷(ひや)、であろう。
それから、ここ、酒の肴も充実している。
お!。筍がある。
この春はまだ食べていない。
それから、焼鳥ももらおうか。
神田[まつや]にはあるが、そばやで焼鳥がある
ところというのは、そう多くはないかもしれぬ。
ここのは、どんなものか。
そばは、混乱を避けて頼むのは後にしよう。
お盆にのって、酒がきた。
お通しは梅くらげ?。
そう酸っぱくないのがよい。
お通しは、ここは毎回違うよう。
筍がきた。
木の芽、蕗、筍。
まぶされているのは、山椒の粉のよう。
見た通り薄味だが、出汁はよく染みているよう。
山椒の粉は、乙である。
焼鳥もきた。
濃いたれの味で焼け具合も上。
ねぎは、くたくたまで焼いて、あまい。
これも山椒がかかっている?。
筍にしても焼鳥にしても、よくある割烹料理ではなく、
東京の味を感じるのは、流石の日本橋の老舗そばや
といえるかもしれぬ。
そばはやっぱり、ここでは、天ぷらそば。
これが室町[砂場]の天ぷらそば。
そばは、更科系の白く細いもの。
つけ汁に小さなかき揚げが浸っている。
かき揚げは、芝海老。
かなりコンガリ揚がっており、芝海老が香ばしく、
うまい。
私はこれ、好きである。
このつけ汁に小さなかき揚げを入れるのは
ここ以外では、上野[翁庵]
でしか見たことがない。(名前はねぎせいろだが。)
他の砂場でもない。
これだけの老舗なので、暖簾分けも多そうだが、
そういうところにはないのか。
あってもよさそうだし、もっとメジャーになっても
とも思うのだが、、、。
ともあれ。
さすがに、これだけだと、そばが少ない。
ざるだけ、お替り。
ここは、砂場の看板の白い更科系だけでなく、
黒いそば粉を使ったものもあるが、同じ白いもの。
水ももらう。
最初の天ぷらそばよりも、ざるも大きく、
実際にもりがよいのではなかろうか。
うまかった、うまかった。
ご馳走様でした。
やはり、よいそばや、で、ある。
中央区日本橋室町4-1-13
03-3241-4038
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