断腸亭料理日記2023
4293号
3月7日(火)第一食
今日は、わずかばかりの申告に
上野税務署へ。
仕方ない、などとは言ってはいけない。
国民の義務である。
が、しかし、で、ある。
毎年必ずであれば、もう少し覚えるのだが、
数年ぶり、三度目。
番号も暗証番号も控えてもいないし、
むろん憶えてもいない。
そもそも、これが申告の必要があるのかも
わからぬ。
聞きながらでなければ、どうしようもない。
従って、こうして、足を運ぶしかない。
どうせ払わなければいけないのだから、早いこと
マイナンバーで申告できるようにしてほしい。
いくつも覚えなければいけないのは、効率が悪いこと
夥(おびただ)しいではないか。
まあ、過渡期ということなのであろうが。
ともあれ。
上野税務署というのは、池之端にある。
15時前に終わって、不忍池の畔、文字通り池之端に
出てくる。
今日もかなり暖かい。
東京の最高気温は、18.8℃、とのこと。
もう今日などは完全に薄いコートもいらなかった。
外に出ると、花粉、で、ある。
私の場合は、書いている通り鼻炎もあるのだが、
近年は花粉は、鼻炎よりも、アトピーというのか、
顔に着くと、かゆくて仕方がない。
保湿剤や専門薬も使っているのだが、追い付かない。
荒れてもくる。
マスクもして、防護眼鏡も買ってみたのだが、
役に立っているのかどうかもよくわからぬ。
これも厄介な問題、で、ある。
ともあれ。
なにを食べようか。
少し前に、行列であきらめた、御徒町駅近くの
[珍萬]で太麺の焼きそば、と先ほどから考えいた。
池之端のごちゃごちゃを抜けて、春日通り。
左に曲がろうとしたのだが、、。
あ!。
[デリー]。
久しぶりに、カシミールを食べようか。
この時刻であれば、すいているだろう。
入ると、それでもほぼ満席。
あいていた、カウンターの一番手前に掛ける。
掛けて、インド人のお兄さんに、カシミール!。
ビールやタンドリーチキンの付いたセットをいつも
食べていたが、第一食でもあるし、そう量は
食べぬ方がよろしかろう。
きた。
上野[デリー]のカシミールカレー。
この店で最も辛い。
スプーンに飯を一匙取り、ルーを一すくいして、
そのまま口に運ぶ。
飯もよい。
日本米だと思うが、しっかり堅く炊けている。
もちろん、辛いだけではない。
このカレー、名作ではなかろうか。
さらっとしている。
うまみ、苦み、香り、などなど、複雑で深い。
インドにあるレシピのカレーではなく、
日本でアレンジして作られたもの、という。
インドの首都は一般にはニューデリーと呼ばれているが
それはDelhiという街の中の一エリアということのよう。
とにもかくにも、インドの内陸、かなりの北部。
大きな国なので、食べるカレーも違っているのであろう。
先日、[アードラ]
で南インドのカレーを食べた。
あそこでも書いたが、南は酸味が強い。
マスタードだったり入るスパイスも南部に特徴的なもの。
粘度は比較的高めかもしれぬ。
あれはあれで、十分うまい。
[デリー]のカシミールがどれほど日本で創造されたもの
なのかわからぬが、やはり比べるとかなり違う。
サラサラ、というのが一番違うところではなかろうか。
もう少し日本語でいうと、さっぱり。
おそらく、日本に最初に入ってきたインドネイティブに
近いカレーは、北部系のものであったのであろう。
Delhiというくらいで、この店もきっとその一つであった。
北インドのものが皆、サラサラというわけでも
きっとないのであろう。
日本人(私)にはサラサラ、さっぱりの方が、馴染み
やすかった?。
また、サラサラの一要素にもなるのかもしれぬが、
形のわかるホールのスパイスは入っていないということ。
(ベイリーフが一枚だけ入っているが。)
ホールが入っていないのは日本人には圧倒的に食べやすい。
食べてよいのか、出した方がよいのか。
(これはカシミールに限らず、上野[デリー]のカレーは
すべてそうなのではなかろうか。滅多に他のものは食べぬ
ので断言はできぬが。)
まあ、この件は、時代というのもあるのであろう。
ホールのスパイスがそのまま残っているのは
インドネイティブカレーで、今は日本でもあたり前に
あって、私達も食べるようになっているが、ルーの
カレーしか知らない時代にはやはり受け入れずらかった
のであろう。
ともあれ。こういったことを考え合わせても
この[デリー]のカシミールの完成度は時代を経て
深まっている。
うまいカレー、で、ある。
文京区湯島3-42-2
03-3831-7311
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