断腸亭料理日記2023
4377号
7月20日(木)第一食
さて。
火曜日。
暑い、暑いと、もう書き飽きて、皆様も
読み飽きておられると思うが、暑いものは
仕方がない。
暑いので、カレーなのだが、ここ。
ここを忘れていた。
上野[デリー]。
上野といっているが、春日通り沿いの、
住所は文京区湯島。
地下鉄千代田線の湯島駅もすぐ近い。
昔風の地域名だと、湯島天神下、となるのであろう。
時代とともに、湯島よりも上野の方が存在感が
高まり、ここを上野と呼ぶ方が自然になっていった
のであろう。
まあ、台東区の町名も上野と付くところはかなり広い。
上野、東上野、北上野。戦後のことである。
ここの場所をなんと呼ぶのか、というのは、
なかなかおもしろい問題である。
ちょっと内容は違うが、時代とともに地名が移動していった
おもしろい例がある。なん度か書いているのでご記憶の方も
あるだろう。東京駅前東側の八重洲という地名であり町名。
元来、江戸の頃からの地名ではある。
江戸初期、家康に仕えたオランダ人、ヤン・ヨーステンに
起源がある。ヤンヨース→八重洲である。
彼の屋敷は内濠沿いの今の三菱商事のビルあたりに
あった。そしてここを通る東西の通りが八重洲通りと
呼ばれていたのである。
この通りは江戸期は、外濠で行き止まりになっていたのだが
明治以降、橋ができ、八重洲通りの橋なので八重洲橋と
名付けられたのである。
そして、鉄道が通り東京駅ができた。東京駅には、
当初は正面である西・皇居側にしか出入口はなかった。
あのレンガ造りの駅舎は西側である。
しかし、やはり不便なので東側にも出入口を作った。
この出入口が八重洲橋そばであったの、八重洲口と
いったのである。
そして、いつの間にか、東京駅東側の町名になった。
内濠から東にかなり離れた場所に八重洲が移動していった
のである。おもしろいではないか。
まあ、これも駅というものが地名を決定する重要な
要素になっているというのは、広く言えば上野と
同様なのかもしれない。
閑話休題。
暑いので、上野[デリー]のもちろんカシミール。
15時半。
ウイークデーのこんな時刻でも、ほぼ満席。
あいていたカウンターの一番奥へ。
カシミールにタンドリーチキンを付けようか。
ここはタンドリーチキンもうまい、のである。
と、お兄さんが、飲み物も付きますよ、と。
そうであった。
タンドリーチキン付きから付くのであった。
ビールとか?。
あー、じゃあ、ビールで。
ビール。
冷房ももちろん効いている。
暑いので、うまいわ。
タンドリーチキンもきた。
普通のインドレストランで出てくる
タンドリーチキンはもっと水分が少ないのだが、
このソース感が残った濃厚がうまい、のである。
オリジナル、とメニューには書いてあるが
ここで編み出したもの、なのか。
なん度も食べているが、もう一つのここの
看板、で、あろう。
サラダのドレッシングというのか、トマトと
オニオン、で、あろうか。酸味が強く、さわやか。
そして、真打、カシミール。
アップ。
きゅうりのピクルスと、玉ねぎのアチャールを
皿に取って、食べる。
チキンとじゃがいも。
具としてわかるものは、この二つだけ。
もちろん、この濃い色のソースには、玉ねぎ
にんにく、生姜、種々のスパイスももちろん
入っているのであろうが、形はまったくわからない。
シャバシャバであるが、濃い。
脂や乳脂肪で濃厚というのではなく、辛み、香り、
苦み、、というのか、そういったものがなんとも
いえず、濃く、うまい。
やはり、他にはない、唯一無二の名作カレー
ではなかろうか。
インドの方が食べるとどうなのであろうか。
おそらく日本人向けに作りだされたのであろうが。
ともかくも、この辛さ。
いつもかなり汗が出るのだが、今日はなぜか
汗はあまり出ない。
あまりにも暑いせいであろうか。
ともあれ。
うまかった、うまかった。
暑さには[デリー]のカシミール。
最強、で、ある。
文京区湯島3-42-2
03-3831-7311
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