断腸亭料理日記2023

浅草雷門そば尾張屋本店/
二長町路麺讃岐うどんうどん伝次

今日も麺類二本。

4289号

2月27日(月)第一食

今日は、だいぶ暖かい。

天気もよい。
最高気温は15℃を越えているよう。

そばにしようか。

この後、西浅草の皮膚科へ行く予定があるので、
浅草方面である。

であれば、雷門の[尾張屋

にしようか。
ちょっと久しぶりか。

14時半頃到着。

やはりこの時刻であれば、かなりの空席。

右側の一番奥のテーブルに案内される。

大きな海老天のここの看板、上海老天重に、
とも考えてきたのだが、テーブルの上に立っている
写真入りの品書きの一番表側に出ていた、鴨南に
目が留まった。

ここで鴨南を食べたことがあったろうか。
わからぬが、鴨南にしようか。
鴨南の季節もそろそろ終わりであろう。
頼む。

鴨南というと、いつもこの俳句を思い出す。

先口の鴨南蛮(かもなん)忘れ居らぬかや 高澤良一

そばやの、あるあるだが、妙なおかしみがある。

きた、鴨南。

小ぶりな丼。
いくつもの鴨肉。
長めに切ったねぎがよいバランス、なかなか
美しいではないか。

鴨肉は火を通すとすぐに硬くなるが、
いい塩梅の火の通し加減。
まあ、このくらいであれば、鴨肉の味が
つゆにしっかり出る、ということは、
ないのだが、これはこれでよい。
うまい鴨南蛮である。

温かいつゆそばを小ぶりな丼に入れるのは、
古い東京のそばやの形である。
元来はそば一人前というものの量は少なく、
このくらいの丼で足りていた。
また、屋台で立って食べることも多かったので
丼は手で持てるものであったと思われる。


台東区浅草1-7-1
03-3845-4500

二長町・路麺・讃岐うどん[うどん伝次]

2月28日(火)第一食

今日は、昨日よりも暖かくなった。
最高気温は20℃近くなった。
予報でも言っているが今年は春が早い
かもしれぬ。

なん回もきているが、ここに書いていなかった。
讃岐うどんといっている。
自販機のチケット制でテーブル席もあるが
カウンターがあるので、路麺と題した。

蔵前橋通りと清洲橋通りの交差点の南西のビルの
一階。

ここもラーメンの[天神下大喜]同様、旧町は二長町。
[大喜]の回に二丁町については、書いている。

江戸の頃のここは、古くからの対馬の領主、
宗対馬守、対馬藩の上屋敷。
清洲橋ができるのは、大正時代の関東大震災の後、
だが、江戸の頃から既に清洲橋通りにあたるこの通りは
存在していた。佐竹の屋敷があり、三味線堀があって、
その間の通りである。
これは真っ直ぐ南北に走り、対馬藩屋敷の東側を
通っていた。

閑話休題。
新御徒町、仲御徒町、秋葉原あたりが近いの
であろうが、どの駅からも遠い。
お客は、おそらく近所のオフィスで働く人々であろう。
だが昼はいつもなかなか混んでいる。

讃岐うどんといっているが[おにやんま]や
[丸亀]のようなオーソドックスな讃岐うどん
よりも、カスタマイズされたというのか、
魅力的なメニューもあり、煮込み、ご飯ものも
あったりする。
自販機食券式というくらいで、本格、こだわり、
というのでもない。もちろん、高くもない。

豚肉おろしぶっかけ、温玉付き。
自販機ではイチオシのポジションにあった。
魅力的ではないか。
おそらく本場讃岐にはないのではなかろうか。

きた。

温玉、おろし、レモン。
薄めの豚バラスライスをゆでたもの。
味はおそらくついていない。
ぶっかけなので、かけつゆがむろん、かかっている。
麺は讃岐らしいシコシコのもの。
うまい、満足の一杯。

十分うまい店。
だが、讃岐うどん店としては、ちょっと違う、
妙、なのかもしれぬ。

ここ、拙亭のある元浅草からも遠くはないが
至近のご近所でもない。
鶏天ののった讃岐うどんが食べたければ[丸亀]か
[おにやんま]へ行ってしまう。

そう、ちょっと食べに行く動機が今一つ、
多くないのである。

おもしろい讃岐うどんやであるが、わるくない店である
ことは間違いなかろう。

 


03-3831-0666
台東区台東1-38-9 イトーピア清洲橋通ビル 1F

 

 

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