断腸亭料理日記2023

鮨・浅草まぐろ人・新仲見世通り店(本店)

4466号

12月9日(土)第一食

さて、鮨、で、ある。
少し前から食べたかった。

今日は少し雲はあるが、よい天気。
最高気温は、13時22分で16.4℃と割に暖か。

例によって[浅草まぐろ人]なのだが、
雷門の立ち喰いが一杯で、初めて新仲見世の本店
行ってみた。

さて、今日はどうか。
雷門の方に回ってみると、歩道もごった返しているが、
満員の上に、今日は外に待っている人も二人。
急に人が増えている。店にとっては喜ぶべきこと。

新仲の方へまわってみる。

と、なんのことはない、こちらはテーブル席に
二組だけで、カウンターはなし。

カウンターの真ん中の板さんの前へ。

お酒一合、ぬる燗で。

きた。

正しくぬる燗。

ぐいのみも名入りだが、酒は、麓ヰ(ふもとゐ(い))
というよう。調べると、山形庄内、酒田の蔵のよう。
初めて。生もと系のよう。
気持ち辛口で呑みやすいが、なるほど厚みのある
味わい。

さっそく、にぎり。
いつも通り、いかと白身。

すみいか、鯛、平目。

鯛、平目もうまいのだが、すみいか。
サクッとした歯触りがよろしい。

そして、次は、いつもの通り、

かんぱち、しまあじ。
またまた、どちらがどちらだか、わからない。
もちろん、うまいのだが、食べるともっと
どちらかわからない。

ここから、光物。

光物三つのセット、というのがあるので、
板さんにこちらの方が安いのかと聞くと、
安いというので、もらった。

左から、鯵、小肌、鰯。
鯵と鰯には、ねぎとおろし生姜。

生の鯵と鰯。
これが、光物の醍醐味かもしれぬ。
どちらも、うまい。私の大好物。

小肌は、比較的〆具合が浅めかもしれぬ。
ここは拵えた人によって、違ったりする?。

光物最後。

〆鯖。
〆鯖はしっかり〆てあるが柔らかめ。
うまいものである。

そして、ここからイレギュラーねた。

ふぐ。ぽん酢しょうゆ掛けもみじおろし。
シコシコした歯ざわりが、よい。

酒は呑み終り、味噌汁。

前回同様、ねぎとまぐろの味噌汁。
もしかすると、これが一番うまいのでは
なかろうか。
まぐろ問屋直営のこの店のまぐろはやはり
充実しているのだろう。
まぐろを煮すぎるとパサパサになるが、
よい塩梅に柔らかく火が入っている。
注文が入ってから、都度作っているのかも
しれない。

続いて、イレギュラーねた、かわり軍艦。

牡蠣軍艦。

生牡蠣の軍艦、で、ある。
今シーズン最初の生牡蠣かもしれない。

むろん、生牡蠣も元来の江戸前のねたではない。
また、先ほどのふぐも同様。
さらに、ぽん酢しょうゆを掛けるのも。

どうなのであろうか。
これらをにぎり鮨として認めるのか。

まあ、はっきり言えば、回転ずしへ行けば
なんでもあり。
シーチキンマヨネーズにコーンを入れた軍艦。
あるいは、海老天にぎり。

うまければよい、のか。

元来、私の持論は、にぎり鮨とは酢飯と種を
合わせてにぎることによって、よりうまくなる。
少し前に富山のますのすしの回で見たが、元来のすしは
飯とともに発酵させて、日持ちもするし、うま味を増やす。
これに対して、酢飯と魚を合わせてにぎって
即席にすしにするのがにぎり鮨。
だが、即席だが、アミノ酸=うま味、が増える
ことも明らかになっている。
江戸前鮨はこのセオリーのもとに成立している。
刺身だけを食べるよりもうまい。また、別の
味が生まれる。こういうものだと。
でなければ、別々に食べた方がよい、と。

この定義にあてはまるのか、否か。

意外に、シーチキンマヨネーズなどは
あてはまりそうな気もする。
だが、海老天は酢飯には合わなかろう。
ぽん酢しょうゆものは、どうだろうか。
生牡蠣はあり、かもしれぬ。
酸っぱいものはよいか?。それも、安易か。

ともあれ、もう一つ。白魚軍艦。

白魚にぎりは、江戸前ねただが、ほんとうは
ゆでたものが元の形。だが、これは明らかに
生の方がうまい。

そろそろ、腹一杯。最後は鉄火巻。

やはり、看板のまぐろ、生、かもしれぬ。
鉄火巻もかなりうまい。

以上。

今回は、4,000円台。
うまかった。ご馳走盛んでした。

 

鮨・浅草まぐろ人・新仲見世通り店(本店)

台東区浅草1-1-11
03-5828-5838

 

 

 

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