断腸亭料理日記2022
4185号
10月7日(土)夜
さて、レバーペースト、で、ある。
皆様、存在ぐらいはご存知であろう。
だがまあ、クセがあるので頻繁に食べるものでもない
と思われる。私もこってり感が好きだが、やはり
大量に、いつも食べるもの、でもない。
少し前に、スーパーでふと見かけて買ってきた。
バゲッドに付けて食べるというよりは、夜中に
呑みながら、なめる、というような食べ方。
腹にもたまらぬし、なめる、酒の肴には、
ちょうどよい。
買ってきたものは、ほんの小さな瓶詰で300円ほど。
なかなか割高である。
作ろうという発想もむろんなかったが、
どんなものか。
シェフのレシピを探してみると、前にも参考にしている
銀座[レカン]の高良シェフのものを見つけた。
初めて知ったが、レバーペーストというのは、
フレンチであった。
また、レバーでも鶏。これも知らなかった。
そう難しそうではないので、作ってみようか。
ただ、マデラ酒がいるよう。
フレンチのレシピではたまに出てくる。
あまり見ない酒だが、あってもよいだろう。
サントリーのもの、アマゾンで頼む。
深夜にオーダーしたがその日夕方届くよう。
調達するのは、鶏レバー100g。少量でよい。
玉ねぎ、にんにく、はある。
無塩バター、玉子、これもある。
これに生クリーム。
帰宅。
マデラ酒が届いた。
ちょっと、呑んでみようか。
始めてではなかろうか。
ん!、甘い。
子供の頃食べたウイスキーボンボンのよう。
そして、よい香りが強い。
マデラ酒といっているが、マデラワインという言い方
もあるよう。スペインの大西洋の島マデラ島の酒。
酒精強化ワインというジャンルに入るようで、
シェリー酒、ポートワインの仲間。
この三つともスペイン、ポルトガルのもの。
なぜかあのあたりに多い。
これは安いものだが、甘いので食前酒、食後酒にも
呑んでよいよう。
作る。
鶏レバーの筋を取る。
玉ねぎ、にんにくを薄めにスライス。
無塩バターで炒める。
ここにマデラ酒。
半分ぐらいに煮詰める。
よい香りである。
これ、ポイントであろう。
同じく無塩バターの溶かしバターを作る。
100gと結構な量。
ミキサーにレバー、煮詰めたたまねぎにんにく。
塩胡椒。
まわす。
ここに、溶かしバターを少しずつ加え、まわす。
乳化させるということ。
なのだが、今一つ、乳化しているのかどうか。
わからぬが、一応混ざったか。
これを容器に入れ、蒸す、のである。
湯温は沸騰させない、85℃。
温度計で計りながら、蒸す。40分。
段々に固まってくる、、、、のだが、ちと気付いた。
生クリームは?。入れていないのだが。
レシピを見ながら作ってきたのだが、レシピには
生クリームは、なかったのである。
どうしたことか、生クリームを買ってきたのは
私の妄想であった。
レバーのくさみ消しには、生クリームはよく使う。
定番である。使うものと思い込んで買ってきてしまった。
折角なので入れようか。
固まりかけているが、ここでレシピ外の生クリームを
加えよく混ぜる。塩も追加。
生クリームを加えて、くさみも減り、よりまろやかに
なったのではなかろうか。
40分加熱、終了。
ほんとうは、3〜4日冷蔵庫で寝かせて食べ頃
ということなのだが、むろん、すぐに食べてみる。
バゲッドと切って、軽く焼く。
乾燥いちじくも添え、出来上がり。
ビールを開けて、食べる。
まあ、味見をしているので、その通り。
うまくできた。
レバーペーストはあまり食べすぎるといけないのだが
これならば、いけそうである。
そして、なにより、ドライフルーツのいちじく。
これが、抜群に合う。
流石フレンチ、で、ある。
フレンチというのは、組み合わせが料理、食い物の
大きなテーマ、で、ある。
むろん、同じ味ではないのだが、引き合うなにか、
がある、のである。
そう、後から気が付いたのだが、マデラ酒。
これが乾燥いちじくの味に近いのである。
流石。
大量にできてしまったが、小分けして冷凍しておこう。
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