断腸亭料理日記2022
4187号
10月10日(月)夜
さて。
餃子を作ろう!。
餃子といっても、私の餃子は、昔から
日本の焼き餃子ではない。
もう随分前だが、北京に遊びに行ったことがある。
いる間にちょうど、ケ小平氏が亡くなり、半旗が
揚げられていた。
よいタイミングという表現も適切ではないが、
1997年2月19日と、いつでも調べられる。
もう25年も前である。
北京郊外の万里の長城へも行ったのだが、そこの
気取らない食堂で食べたのが水餃子であった。
餃子はどちらかといえば、中国でも北部のもので、
北京も含めて、一般にはゆでて食べる。
日本の焼き餃子は野菜をたくさん入れるが、
あちらのものは、入れないものの方が主であろう。
その後、レシピを調べ、自分で作り始めた。
もちろん、皮から。
日本で売っている皮は、薄い。
あれでは、だめである。食べ応えがない。
それで、自分で皮も作る。
ちょっと久しぶりである。
手間はかかるので、やっぱり作るのに、決心がいる。
今日の動機は、豚肉が余っていたから。
野菜炒めにした豚こま切れがちょっとたくさん
あったのである。
本来、中華の点心に使う豚肉はバラである。
脂が多いのがよいのである。
が、まあよかろう。
まず、皮の準備。
うどんや、小麦のトルティーヤなどもほぼ同じ
レシピだが、小麦粉に塩と水を入れて練る。
私などあまりやらないので、これ、けっこう難しい。
水の量、練る時間、どのくらいまで練ればよいのか。
また、むろんシンプルに力も必要。
そこで、パン焼き器の生地を練る機能だけ使う。
レシピの半量でセット。
練りあがり。
手も、まわりもよごれない。
goodである。
ラップをして置いておく。休ませる意図。
次にねぎと生姜の水を作る。
これも中華の点心には必須。ねぎと生姜のしぼり汁
なのだが、この香りが点心らしさになる。
ねぎみじん切り、生姜はおろす。
これを水にしばらく漬けておくのである。
スプーンで潰し水に香りを移し、アク取りで
濾せばしぼり汁ができる。これが最も効率的であろう。
次に豚肉。
細かく切って、叩く。
ここはざっくりでもよい。
ボールに入れて、練る。
細かく切るよりもこちらはとても重要。
餃子でも焼売でも中華の点心のポイントである。
粘りが出るまでよく練らなくてはいけない。
アミノ酸が出てくるという。
よく練って、全卵、しょうゆ、これは中国しょうゆを
使ってみる、紹興酒、日本酒、胡麻油、味覇。
脂を足したいのでラード。
それから、ゼラチン。つなぎ、のつもりなのだが
事前に湯に溶いて、置いておいた。
固まっているので、細かくして混ぜ込む。
また、これもつなぎだが片栗粉。
日本の焼き餃子は餡にあまり味を付けないが
中国の点心は味を付ける。だが、これ、難点は
味見ができないこと。
むろん、目分量、テキトウに入れているので、
凸凹が出てしまう。
こんな感じ。これも休ませる。
1時間ほど。
次、皮を伸ばす。
生地の玉を棒状に伸ばす。太さは2cmほど。
これを金太郎飴のようにやはり幅2cmどに切る。
伸ばすのはキッチンの平らなところ。
くっつき防止の打ち粉=片栗粉をまぶし、下にも打ち粉。
手のひらでつぶす。
木の棒は点心用の麺棒。
この潰したものを麺棒で伸ばすのだが、右手のひらで
転がしながら生地にあて、左手で生地を回し、伸ばす。
(以前、動画を撮っていた。)
むろん、トウシロウなので、きれいな円形には伸ばせない。
厚みも理想的には、中心部が厚く、外は薄く、なのだが、
そんな風にもまるでできない。
まあ、それでも皮らしきものはできる。
重ねるとくっつくので、ここでも打ち粉を
まぶさなくてはいけない。
ここから包む。
餃子なので、皆さんご存知の包み方。
これもまあ、あまり上手とは言えない。
が、密封できればよいではないか。
ゆでてもよいが、今日は蒸す。
蒸し器に水を張り、沸騰させる。
沸騰したら、一度火を止め、クッキングシートを敷く。
包んだ餃子を並べ、蒸す。
火は中火で沸騰状態を維持。
蒸す時間は、中に火が通ればOK、なのだが、
皮が透明になったのを目安にしている。
5〜6分であであろうか、10分はかからない。
中国黒酢、香醋を小皿に。
ビールを開けて、香醋をつけて、食べる。
中はジューシーという感じではないが、まあこんな感じ。
皮の厚みがお分かりになろう。
やはりこのくらいがよい。強力粉を使ったので
かなりしっかりしている。
味は、まあまあ。久しぶりにしては、よくできた。
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