断腸亭料理日記2022
4217号
11月25日(金)第一食
さて。
ミシュランシリーズ?。
23年版が発売され、改めて眺めていて発見した店。
表題、神保町のスマトラカレー[共栄堂]、で、ある。
ピブグルマン。
なん年連続かはわからぬが、少なくとも昨年も
掲載されている。
今さら言うまでもないが、今や神田はカレー店のメッカ、
聖地。ここは、まさにその先駆け、といってよいのか。
ここは神保町カレーというと必ず登場する。
だが、よくよく考えてみて私、ここには行ったことが
ないのではと、気が付いた。
創業は大正13年(1924年)という。
もしかすると、東京で現存するカレー専門店とすれば
最古なのではなかろうか。
銀座[ナイルレストラン](1949年)、渋谷[ムルギー]
(1951年)、上野[デリー](1956年)らも古そうだが、
皆、戦後。インドカレーの嚆矢といってよい新宿[中村屋]も
主業はパンやで創業は明治だが、カリーを出し始めたのは
昭和2年(1927年)。
神保町でもよく行くのはクローブの効いたインドカレーが
うまい[エチオピア]、あるいは欧風の[ボンディー]
あたり。
特にここを避けていたような気もしないのだが、
なぜか行ったことがなかった。
やはり、行ってみなければいけなかろう。
昼夜、通し営業のよう。ありがたい。
今日は天気もよく比較的温かい。
自転車で出る。
[共栄堂]は靖国通り沿い北側で、ちょうど神保町交差点と
駿河台下交差点の中間あたり。
元浅草の拙亭から距離的には、秋葉原から昌平坂を
昇るのが短いのだが、むろん坂なので、迂回し、
靖国通り経由。まあ、それでも30分はかからない。
13時半頃到着。
ビルの地下、で、ある。
昼の時間をすぎているからか空席も多く、
奥のテーブルに掛ける。
店内はなかなか広く、神保町らしいというのか、
喫茶店といってもよいような雰囲気。
メニューはそう多くはないが、
ポーク、ビーフ、チキン、エビ、タンに、
ハヤシライスもある。
ノーマルそうなポークにしようか。
と、おろしいスピードで出てきた。
もしかしたら、1分もかかっていないかもしれぬ。
メニュー数が少ないので、あたり前かもしれぬが、
これだけ速いと、おそらく心掛けている、と、
思われる。
ポタージュらしいカップのスープが付いている。
カレーソース。
豚肉は、バラか。
ライスにスプーン一杯分、掛けて、
食べる。
色は気持ち緑系が入っている。
多少、苦みがあるか。
辛さはそれほどでもなく、スパイスもなにかが
立っているということもなく、バランスの取れた
うまいカレーであろう。
ただ、逆にいうと目立った特徴がないとも。
ご飯の量が多少多め。
ルー大盛、にしてもよかったか。
1100円也。
ご馳走様でした。
さて。
どうなのであろうか、ミシュラン。
東京にはカレー店は他の飲食店同様、それこそ
星の数ほどある。
カレースタンド、欧風、インド風スパイスカレー等々。
中でもこの店を取り上げる理由が、どうももう一つ、
わからない。
むろん、うまいとは思う。歩ける距離にこの店があれば
週に1回は大げさだが、頻繁に行くであろう。
が、例えばこの界隈激戦地と言われる神保町で他と
比較して、群を抜いて傑出しているかと言われれれば、
首をひねる。私の好みであれば[エチオピア]である。
また同じ老舗では上野[デリー]である。
先に書いたように老舗としてはぴか一のレジェンドで、
高価ではないカレーやとしてはサービスも
ちゃんとしている。
が、なにか、恣意的というのか、趣味的というのか、
そんなものを感じる。
ちょっと考えてみた。
ミシュラン東京2023でカレーは8軒しか掲載されていない。
これに対して、例えばラーメンは22軒。
全体の店の数はこの比率なのかはわからぬが、カレーは
わかりやすく少ない。
そうすると、自ずと絞らざるを得ない。
ここ以外に、カレーのミシュラン掲載店で私が知っている
のは、墨田区文花の[スパイスカフェ]、そして例の大久保
[魯珈]。
一応、外資のガイドブックなので、東京を代表して
外国人にも無難に紹介できる、という観点もあるか。
老舗系、新進気鋭スパイスカレー、その中間、ネイティブ系、
欧風、、わからぬがいくつかジャンルを決めて、
そこから代表を選んでいる、ということなのかもしれぬ。
また、鮨、天ぷら、フレンチ、イタリアンなど
他ジャンルでは、評価ポイントがある程度定着していて、
誰が食べてもこちらが上、という優劣は付けやすい
かもしれぬ。
が、カレーというのは、スパイスカレーでもかなりの
バリエーションがあり、評価ポイントは定まっているとは
いえないのではなかろうか。趣味性というのか、人によって
好みが大きく分かれる。
まあ、選ぶのはたいへんであろう。
03-3291-1475
千代田区神田神保町1−6 サンビルB1
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