断腸亭料理日記2022
4042号
2月25日(金)夜
さて、浅草の弁天山[美家古寿司]。
ご時世で休んでいたが、今週からなのか
TELをしてみると、開けていた。
17時半、カウンターは埋まっているようで、
テーブルとのこと。
15分前に出て、内儀(かみ)さんとタクシーで向かう。
今週に入って少し暖かくなった。
厚手のコートからステンカラーにかえている。
馬道通り、伝法院通りの交差点で降りる。
暖簾が出ている。
入れるだろう。
自動ドアを開けて入り、名乗り、親方、若親方に
挨拶をして、奥のテーブルへ。
コートを脱いで若女将に渡し、椅子に掛ける。
先日の、立ち喰いなどはのぞいて、
ちゃんとした鮨やといえば、もうここなん年も
ここ一本である。
銀座、新橋、日本橋などなど東京にもたくさん
名のある花形の鮨やもあるのはもちろん知っているが、
この年齢になると、いろんな意味でここがよい。
若親方も主役になりつつあり、古い江戸前を守る
ことをポリシーとする[美家古寿司]も少しずつ変わっても
いるのであろう。
どういうふうになるのか、見ていたい、とも思う。
瓶ビール、キリンをもらう。
お通しと、下足。
下足は若親方が気を使ってくれたもの。
少しだけ、つまみをもらおうと思っていた。
鰹がないかと聞くが、ないよう。
今は、まだ瑞々しい初鰹だと思うが、それも
うまそうであると。
かしきの昆布〆はどうですか、と。
いつもあったろうか。
珍しいのではなかろうか。
少し、目先を変えたか。
カジキというのは、なぜか北陸、富山や金沢へ行くと
定番で食べられている。昆布〆もよくあるし、
まぐろの大トロ並の脂の乗ったものもある。
北陸ではかじきがかなり親しまれている。
江戸前鮨ではどうであったのか。
かじき。
脂のあるところ。
うまいもんである。
東京はかじきは刺身やにぎりで食べる習慣が
あまりないので魚やでも刺身用に売られていない。
しかし、確か、河岸(豊洲市場)ではまぐろなどを扱う
仲卸で扱われていると聞いたことがある。
近海もので生で食べられる上等のものも
たくさんあるのであろう。
またまた、出してくれた。
海老の小さなお椀。
海老の味噌が濃厚な味噌の汁。
ここなので、この海老はさいまき海老(車海老)
なのであろう。
さてここから、にぎり。
セオリー通り白身から。
鯛、平目昆布〆、白身には入らないが、
かんぱち。
手前が鯛、上左が平目昆布〆、右上がかんぱち。
どれも文句なく、うまい。
続いて、いか。
そして、光物で小肌と鰺。
鰺は完全な生ではなく酢洗いをしているか。
これもうまい。
すみいかは、身が厚め。季節的にはこんなものか。
光物が充実している。
左がきす、右が鯖。
もちろん、ここまでが光物。
きすは〆てあるが、珍しかろうが江戸前では定番。
うまいもんである。
自分でやったことはないが、今度やってみようか。
〆鯖は、前回もそうであったが、炙ってある。
うまいのだが、どういう意図であろうか。
真ん中は、づけ、だが、中トロ。
づけは普通まぐろの赤身。脂のある中とろは普通
しない、いや、合わないと思うのだが、これは
絶妙。
貝類と海老。
赤貝、下が蛤、右はさいまき海老で内儀(かみ)さんの
希望で、おぼろをはさんでもらったもの。
軽い甘酢漬け。ぷりぷりで海老のあまさがよろしい。
蛤はいつもこうであったか、かなり濃い味。
赤貝は普通私は頼まない。内儀さんの希望。
もちろん、うまいのだが、貝類では最も
高い種であろう。
今はほぼ獲れないのであろうが、昔は東京湾でも獲れた。
そういう意味で江戸前鮨には欠かせないものであろう。
今は宮城閖上(ゆりあげ)がブランド。
最後は、玉子と海苔巻。
ここまで。
勘定はビール二本に酒一合を入れて二人で
2万ちょい。
ご馳走様でした。
いつも通り、おいしかったです。
台東区浅草2-1-16
03-3844-0034
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