断腸亭料理日記2022

上野・とんかつ・とん八亭

4220号

12月2日(金)第一食

12月になった。

合わせるように、昨日から急に寒くなった。
それでも、まだ真冬の気温よりは温かいのだが、
この“急に”というのが私のような、
アレルギー性鼻炎持ちにはいけない。
今日は少し治まってきたがこの寒暖差で
昨日は一日中、くしゃみと鼻水が止まらなかった。
保湿ティッシュをあっという間に使い切ってしまう。
この辛さは経験したことのある者しかわかるまい。

そして、その中、サッカーワールドカップの
スペイン戦が今朝あった。
結果はご存知の通り。めでたい限り。
私はベッドの中で試合開始から見ていたのだが、
前半1点を取られ、ハーフタイム、もう駄目だと
思っていると、TVをつけたまま寝てしまった。
起きたのは、後半20分すぎ。TVを視るとなんと、
2対1で勝っているではないか。
なにが起こっていたのかまったくわからない。
ともかくも、点を取っていたことは間違いない。
ゲーム中の放送、国際映像なのか、得点シーンの
リプレイはやらない。
あと30分は耐えて視ていなければならない。

ともあれ、よくやったものだ。前半はほんとに観念していた。
前半の予選敗退危機から、このまま守り切れば、今のドイツ、
コスタリカ戦の状況でトップ通過。まさに天国と地獄。
これ以上のドラマはあるまい。

日本は強くなった。ほんとに、上手くなった、のであろう。

今大会の番狂わせの多さ。日本だけでなく、アジア、
アフリカなど力が上がり、差がなくなってきた
ということなのか。

今年の世界情勢は大混乱だが、ここ数年、数十年の
アジア、アフリカなど後進世界の経済成長というのか、
底上げというのも、大きな要因の一つではなかろうか。
(日本サッカーの成長はむろん別の要因であろうが。)

ただ世界経済の成長は世界の温暖化進行などの弊害も
進むということにも繋がってしまう。先般、COP22があったが、
皆のレベルを上げながらこの危機をなんとしても回避
しなければいけない。
もちろん、俺が俺がで争っている場合ではない。
世界が滅びれば勝者もいないことは明らかである。
人類はもっともっと、賢くなれるはずである。

サッカーから思いがけない話になってしまった。
閑話ではないが、及第。

今日は、目標の店はないのだが、ご飯もの、
特に、かつ丼が食べたい、と、考えながら、
とりあえず、御徒町まできた。
14時近い。かつ丼なら元浅草[砂場]、佐竹[武井]
なのだが、この時刻ではもう終わり。
御徒町にはとんかつのチェーンもあるのだが、
やはり、がっかりしたくない。

たぬき小路を入ってみる。
先日、行列で入れなかった[とん八亭]。

(2023ミシュランピブグルマン継続。)
お、今日は店前に一人待っているだけ。
これは入れるかも。
列についてみる。

数分。出る人があって、ご主人自ら、格子を
開けて顔を出した。お一人ですか?、どうぞ。
と、ちょっと、にっこり。
やった。入れた。

カウンターに掛ける。

今、カキフライの貼り紙もある。
ここのカキフライと聞けば、是非食べてみなければ
いけないのだが、それは次回。
今日は、やっぱり久々のロースにせねば。

ロースの定食を。

ここに限らないが、とんかつというのは、
物理的に揚げる時間が掛かるので、そこそこ待つ。
特に、厚みのあるよい肉を揚げるのには。

きた。

ご飯、お新香、ロースのとんかつ。

かつは浅めの揚げ色。
キャベツとポテサラ。
キャベツには、とんかつソースをかけ回す。

箸と味噌汁。

ここの箸は比較的ノーマルな割り箸か。

かつ。

文字通り、ピンク色の切り口。
豚肉の生というのは食べられないが、これはぎりぎりの
ところなのではなかろうか。
いつも、基本ピンクではあるが、それが今日は特に
顕著かもしれない。
中は蒸された状態で、ほかほか。

やっぱり塩で。
みずみずしい、という表現が合っていよう。
そして、うまみにあふれている。

脂身。
ここはロースだと大きすぎないが、比較的
存在感のある脂身を残している。
ここには、辛子を塗って食べる。
この脂のうまみもまた、堪えられない。

味噌汁。
ここは豚汁ではなく、味噌汁。
とにかく、出汁が濃厚。味噌も濃い?、わからぬが
むろんくどくはない。
これだけ濃厚な味噌汁というのは、なかなかない
のではなかろうか。

食べ終わるのが惜しくなる。
だが、むろん、食べ終わる。

うまかった、うまかった。

ご馳走様でした。

今度は、カキフライかな。
すぐにこようか。

 

03-3831-4209
台東区上野4-3-4

 

 

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