断腸亭料理日記2022
4077号
4月23日(土)夜
内儀(かみ)さんが肉が食いたいというので
例の国産牛シャトーブリアンにしようか。
あれは、うまい。
浅草松屋に入っている[日山]だ。
きてみると、黒毛和牛のシャトーブリアンはあるが、
国産牛はない。
もちろん、値段は高い。が、黒毛和牛は脂が多すぎる。
土曜日、だからか。
だが、あるであろう。切ってもらおう。
案の定、あったようで、二切れ切ってもらう。
100g1,000円、5,120円也。
よい値段である。
なにか付け合わせの野菜。
また、和風のおかずにしようか。
松屋の野菜売り場をのぞくが、ピンとこない。
なにが売りたいのか。
雷門のオオゼキにまわる。
お、クレソンがあった。
それからもろっこいんげんが、うまそうである。
平たい隠元。筋がなく柔らかくうまい。
帰宅。
もろっこいんげんは、なんにしよう。
おひたし。
しょうゆと削り節をかけて。
だが、これでは、あたり前すぎよう。
ちょっと調べてみる。
と、このモロッコインゲン、おもしろいことが
わかった。
平たいインゲンの仲間で中南米原産。
モロッコとは何の関係もなく、名前は、種苗会社が
付けたという。流行っていた映画の舞台が
モロッコだったから、と。
ほんとであろうか。カサブランカ?、そんな古くはないか。
ともあれ、いい加減なネーミングである。
ともあれ、意外に料理のバリエーションは少なく、
ピンとくるものがない。
あたり前だが、胡麻和えでよいか。
ヘタを取り、一口に切ってゆで、冷水で冷まし、
水を切っておく。
白胡麻をフライパンで軽く煎る。
あたり鉢に移し、酒、しょうゆ、砂糖。
レンジに掛ける。
自動加熱だと強すぎる。
途中で止めて、味見。
OK。
和えておく。
シャトーブリアン。
またまた、個体識別番号。
3歳ほどの雌。肉専用種×乳用種。
生まれは那須烏山。
半年ほどで茨城県筑西市へ。
筑西市で1年弱。
同稲敷市で1年半。
今までは北海道生まれであったが、
こういう例もあるのか。
両面塩胡椒。
フライパンにたっぷりのオリーブオイル。
中火で焼く。
焼きながら、上からスプーンで油をかける。
下がいい色になってきたら、ひっくり返す。
こちら側も、油をかける。
よい色にになってきたら、終了。
皿に出して、休ませる。
10分以内。
プロは必ずこの工程を経る。
今一つ、理由がわからないが、私はドリップを
出し切る、程度の目的である。
皿へ。クレソンも添える。
もろっこいんげんの胡麻和え、と、作ってあった
小松菜と油揚げの煮びたしも。
ビールを開けて、切る。
焼け具合はちょうどよいだろう。
やっぱり、国産牛ヒレ・シャトーブリアン、
柔らかく、よいうまみ。脂もちょうどよい。
内儀さんは意外に小さい?という反応であったが、
食べると、これで十分満足できる、と。
まあ、この値段であるから、ね。
クレソンというのは、ステーキによく合わせるが
私はかなり好きである。苦みというのか辛み、
というのか、バリバリ食べられる。
もろっこいんげんを胡麻和えにしたのは
初めてではあるが、むろんうまい。
そして、小松菜の煮びたし。
これは、子供の頃からのうちのおかず。
浅利のむき身でもやる。
濃いしょうゆ味でくたくたになった小松菜が
うまい。
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