断腸亭料理日記2021

酒の肴/湯葢の佃煮、からし茄子、
じゃこ天・黒はんぺん

3931号

9月12日(日)第二食

さて。
今日も今日とて、吉池へ。

なにか、なかろうか。

が、ざっと見てまわるが、これというものが
目に留まらない。
まあ、食欲もあまりない。
目当てもなくきたので致し方もない。

と、なると、地下か。

吉池の地下というのは、野菜、肉、加工食品、
菓子、パン、鮮魚以外の各種塩干の魚を扱っている。

中でも、やっぱり塩干の魚介類の品揃えは
充実している。
昔から塩鮭はかなりの品揃えである。

あ!。
佃煮。

前にも書いているが、ここには[湯葢(ゆぶた)]
という佃煮店のものを置いている。

佃煮といっても、馬鹿にしてはいけない。
佃煮というのは、東京中央区の佃島の佃。
江戸時代には、唯一、江戸前、江戸の前の海の
漁業権を与えられていた漁師達。
彼らが小魚をしょうゆで甘辛味濃く煮たものが
佃煮。
つまり、江戸生まれ、江戸名物。
かつて、日持ちのする東京土産は
佃煮と海苔であったと思う。

スーパーで売られていたり、東京下町以外の
佃煮店の佃煮と、東京下町の老舗のものとは、
味の濃さが違っている。
私は、別物、似て非なるものと思っている。
つまり、東京下町の佃煮以外は、佃煮ではない、と。

[湯葢]というところは閉店してしまった浅草[鮒金]
で働いていた方が開いた店。
[鮒金]のものは以前から吉池の地下に置いていたのだが
それがこの[湯葢]というところにかわったという
ことである。
パッケージも味も同じ。

なにがいいかな?。

お!。
季節のものか、いなご、が、ある。
ちょっと珍しいかもしれぬ。

それから、、、葉唐辛子、きゃらぶき。
この二つは、欠かせない。
拙亭冷蔵庫の定番。

と。

佃煮の反対側に、練り物のコーナー。

練り物も全国のものを置いている。

ん!。
愛媛のじゃこ天、それから、静岡の黒はんぺん。
どちらも黒い、青魚の?(厳密には必ずしも
青魚に限らないようだが。)練り物。

蒲鉾もよいが、つみれにしても、この黒い
練り物は、好物である。
じゃこ天と黒はんぺん、両方買おう。

お!。
そうだ、ここまで、好みの酒の肴を並べるのなら
もう一つ。最近食べたくて捜したが、見つからなかった
からし茄子。探してみよう。

あったあった。
おそらく、いつも置いてるのであろう。
ここにあったか〜。
袋入りのもの。

帰宅。

佃煮三つ。

じゃこ天と黒はんぺん。

黒はんぺんは、パッケージにも書いてあるが
静岡おでんには欠かせないものだが、
もちろん、そのまま食べてもよい。
静岡駅のキオスクに売っていた。
新幹線でのつまみになん回か買って食べたことが
ある。

からし茄子。

メーカーは忠勇。
忠勇というのは、元々は灘の蔵元であったが、
今は、愛知の盛田グループのブランドで、
奈良漬けなどの商品を買ったことがある。
なるほど、からし茄子は、からしの入った
粕漬ということか。

じゃこ天と黒はんぺんはオーブントースターで
焦げ目を付ける。

今日の目玉は、やっぱりいなごの佃煮であろう、

虫を食べるというのは、今、これから、注目されている
とはいいながら、ちょっとゲテ。

だが、いなごの佃煮は東京でも、昔からあったと思う。
少なくとも、私が子供の頃にはあった。
そこそこ、好きな佃煮であった。
最近はあまり見かけないと思っていたのだが。

戦争前後の食べ物のない頃だけのものではない
のではないかと思うが、、。
いつから東京で食べていたのか。
今度ちゃんと調べてみようか。

まあ、味は小海老の佃煮とほぼ変わらず、うまい。

これに昨日のいなだ昆布〆を食べているのだが、
細かい酒の肴だけだが、けっこう満足。

 

 

佃煮処湯蓋

台東区北上野2-1-1
TEL:03-6231-6550

 

 

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