断腸亭料理日記2021

煮穴子丼

3881号

6月21日(月)第二食

さて、今日は、穴子を煮て、
酢飯の丼、ちらし寿司にしようかと
考えた。

毎度書いているが、赤酢の酢飯で
にぎり鮨をにぎっている。
これが、毎回少しずつ余っている。

その都度、ラップに包んで冷凍している
のである。

思い出したように食べているが、
これを使おうということである。

また、赤酢の冷凍酢飯はにぎりには難しそうだが、
丼であれば問題ない。
そして、赤酢の酢飯は甘辛のたれをかける煮穴子
のようなものによく合う。

吉池で穴子を購入。

これ。

対馬産。
ちいさいもので、400円ほど。いつもこんなものである。

もう出回っているのは、対馬産のみになって
しまっている。

もちろん、穴子というのは江戸前を代表する
魚といってよい。
にぎり鮨、天ぷらでも主要なメンバーである。

江戸前、東京湾産の穴子というのは、
ほとんど出回っていない。
釣をする人もいるようで、いないことはないと
思うのだが、流通するほどは獲れないということ
なのであろう。
以前は横浜八景島小柴のものが有名であったが
数年前から漁獲量は落ちていることも報道されている。

これ、東京湾に限らない。
日本中で、穴子というのは、獲れなくなっている。

東北地方から九州まで、日本各地の沿岸に穴子はいた。
江戸前に限らず、各地の名物になっていた。
三陸、大阪湾、和歌山、明石、瀬戸内の広島宮島
などは特に有名であろう。

これら、軒並み獲れなくなっている。

各産地では周知のことだと思うのだが、
全国どこも押しなべて獲れないというのは、
あまり知られていないのではなかろうか。

それで、皆、対馬産。
穴子の輸入ものは、韓国産。
獲れているところは、ほぼ同じではなかろうか。

各地で馴染深い魚であった穴子が獲れない。
これは危機的状況ではなかろうか。

日本のうなぎが絶滅に瀕しているのは
知られているが、穴子もこれに近いのでは
なかろうか。

原因はなんなのか。
獲りすぎ、環境の悪化?。本当のところは
わかっているのであろうか。

穴子も、うなぎと同様に、遥か南方で生まれ、
黒潮に乗って近海にたどり着き、うなぎは
川に上るが、穴子はそのまま近海に住み着き、育つ、
そんなことを聞いた覚えがある。(合っていようか。)
ただやはり、実際の生態はうなぎ同様、あまり
確かなことは分かっていない、とも聞く。

穴子の子供は、のれそれ、などといって、珍味として
鮨やなどで出ることがあるが、あれも食べている
場合ではないのではなかろうか。
東京湾では、小さいものは獲らない配慮は始めている
ようであるが。

江戸前鮨、天ぷらとして、欠かせない魚である。
いなくなってしまっては、困る。大切な大切な
魚であるはず。

SDGs(エスディージーズ)を持ち出すまでもなく
対馬産しか流通していない状況は、最早日本の穴子漁、
穴子鮨は持続可能な状況ではなくなっている
といってよいのではなかろうか。
対馬だって、獲り尽くしてしまわないか、心配。
漁業者、流通、鮨職人、皆それぞれの立場では
わかっているのであろうが、声にしていないだけ?。

このままで、よいはずはない!、
と思うのだが、、。

まあ、そんなことだが、煮穴子。

ぬるぬるを取るため、塩で揉み洗い。

くさみ、ぬるぬるが、完全に取れるまで、
数回水洗いをしながら、塩揉み。

においも確認し、よいかな。
崩れても取りやすいように、ざるに入れ、
圧力鍋へ。

水を張り、ほんの少しのしょうゆと、砂糖。

ふたをして、点火。
加熱、加圧。圧が上がってそのまま5分。
火を止め、放置調理、30分。

煮上がった。

煮汁はフライパンへ移し、冷蔵庫にストックしてある
煮詰めたタレを合わせ、もう一度煮詰める。

凍っている赤酢の酢飯を冷凍庫から出し、レンジ加熱
3分弱。(700w)

丼に盛り、もみ海苔を敷き、穴子。
煮詰まったたれをかけ、もう一度、海苔。

出来上がり。

穴子丼、穴子ちらし丼。

昨日作ったなめこと豆腐の赤だし。
漬物は酒悦のしば漬け。

ビールを開けて、食べる。

ん!?。
あー、、、微かに、なまぐさい、か。
ちょっと、塩揉みが足らなかったか。
残念。

 

 

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