断腸亭料理日記2021
1月24日(日)第二食
日曜日。
雪になるといっていたが、このあたりでは
雨のままではなかったか。
雨も昼までで、午後、自転車で出かける。
第一食は稲荷町の[吉野家]で並と玉子。
日曜なので、チェーン以外は休みである。
もちろん、うまい。
浅草にまわる。
浅草は最近の日曜日の風景。
そこそこ人は出ている。
着物を着て、人力車に乗っている観光客の姿も
見える。
帰り道、ROXの西友に寄る。
今日は魚にしよう。
西友には、鯵、鯖、鰯など青魚をいつも安く置いてる。
開いた鰯。四枚で200円。
久しぶりにフライにしようか。
キャベツは、野菜炒めにしたのがまだあるので
いいだろう。
帰宅。
鰯はこんな感じ。
まずは、キャベツ。
スライサーで千切りを作る。
最近はもうこれ一本。
きれいな薄切りが簡単にできる。使わない手はなかろう。
水に漬けて1時間程度。
回して、水切り。
冷蔵庫へ入れておく。
揚げ鍋に油を用意。余熱をしておく。
鰯は洗って、粉をふる。これは天ぷら粉。
粉入り玉子とパン粉を用意。
玉子は粉をふったトレーをそのまま使う。
残った粉をそのまま使える。
パン粉はミラノ風カツレツに使ったもので細かい。
粉をふった鰯開きの尻尾をつまんで、玉子の衣を両面。
パン粉へ。
大きなスプーンで上にまぶし、押し付ける。
四枚終了。(一枚はパン粉の中。)
油温を180℃にセットし、あがるのを待つ。
180℃にセットすると、あがってもさがっても、
ガス台が自動調整してくれる。これ便利。
二枚投入。
油温を自分で調整しなくてよくなったので簡単。
ひっくり返しながら、狐色まで。
四枚揚がった。
いわしフライには、ケチャップ、ソース、マヨネーズを
合わせたもの。いつもこれ。
これがよい。
皿にキャベツ、いわしフライを盛り付け。
キャベツには別にマヨネーズを添える。
出来上がり。
アップ。
ビールを開けて食べる。
いわしフライというもの、うまいもんである。
多少生ぐさくてもよい。
いや、その方がむしろいわしフライらしい
ともいえる。
うまい、うまい。
ところで、キャベツのこと。
フライものにはキャベツ千切り、と、決まっている。
なぜか。
ハンバーグだとキャベツでなくともよいと思うが、
揚げ物はやっぱりキャベツ。
キャベツというのは、ちょいと調べると、
明治期から本格的に栽培されるようになり、
大正期には、もう広く食べられるようになっていたらしい。
(農畜産業振興機構)
これ、洋食らしい演出だったのではなかろうか。
池波先生もエッセイに書かれているが、お好み焼きの
原形と思われる、どんど焼きなど、小麦粉を
薄く焼いたものにソースを掛けたものが広まっている。
大正から昭和初期、ソースをかければ洋食になっていたのである。
生キャベツ千切りの付け合わせは日露戦争中、
人手不足で手のかからないものとして、
銀座の洋食や[煉瓦亭]で生まれていたともいう。
キャベツ千切りを料理に添えるのもどんど焼きのような
手軽な洋食っぽい雰囲気づくりとして
広まったのではなかろうか。
生のキャベツを付け合わせに添える料理というのは
フランスでもイタリアでも、存在しない。
私たちはソースやマヨネーズをかけて食べる。
脂っこいものにはまあ、ちょうどよいのだが、
べら棒にうまいか、と聞かれれば、そうでもない。
だがやっぱり、これは必要不可欠だと私も思うので
添えている。他に代わるものがないというべきか。
だがまあ、不思議なものではある。
結局、四枚全部食べてしまった。
うまかった、うまかった。
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