断腸亭料理日記2021

赤酢の酢飯でさよりとまぐろヅケのにぎり

2月26日(金)第二食

さて。
今日は、赤酢の酢飯で、シリーズ。

そろそろ、春も近い。
魚の顔ぶれにも変化があるであろう。

吉池に向かう。

やはり、あった。
春の魚。

さより。
漢字だと細魚あるいは、針魚、あたりのようだが、
あまり見慣れないので、“かな”でいってみる。

さよりは春、脂がのる。

大きいのと小さいのがあるが、一本90円の
小さい方。大きいのは三陸、小さい方は、淡路島。
四本。

もう一品。
まあ、定番のまぐろか。
バチマグロの赤身、切り落とし。
太平洋、解凍もの。
ヅケにしようか。
464円。

帰宅。

これ。

さよりはこんな感じ。

さよりは、光物に入るが、淡泊なので
〆たりせずにそのまま生。
さばくのは直前。

先に、飯台に水を張っておく。

1時間前、米を洗って、カタメモードで
スイッチオン。

さよりを三枚におろす。
小さな出刃包丁。

頭を落とし、腹を裂き、洗う。

尻尾から一気に頭まで中骨に沿って切る。
ひっくり返し、同様に中骨を外す。

細長いのでさばきやすいかもしれない。

腹骨を薄く切る。

皮を引く。

他の光物同様、頭からむける。

ヅケ用の漬け汁、ニキリを作る。
しょうゆを酒で割ったものを、加熱、ニキル。

水で冷やしておく。

ヅケというのは、まぐろの保存法であった。
幕末、江戸の鮨やが始めたという。
脂のあるトロなどはしないが、鮨やでは、
赤身のまぐろへの仕事として施される。
あまみが増す。

切っていないサクを漬ける場合は表面を“霜降り”
にし、漬ける。これは、色が黒くなるのを防ぐのと
漬かりすぎ防止であろう。

ヅケは即席でも十分にできる。
漬かるのが早いのである。
切ったものを3〜4分漬ける程度で十分。

飯が切れたら、蒸らし、いつもの通り酢飯造り。

毎度のことなので、詳細は省略。
前回をご参照。

赤酢を混ぜて置いておく間に、
切り落としを、にぎりの大きさに切って、漬ける。

わさびもおろす。

わさびもおろすのは直前。
おろして3〜5分後が最も辛みが強いという。(金印)

にぎる。
これも詳細は省略。

このあたりをご参照。

以前は、かなり大きなものになってしまっていたが
なかなか慣れてきた。
形もきれいににぎるのはむずかしかったが、
まあ、そこそこ見られるものにはなってきたで
あろう。
むろん、プロには足元にも及ばぬが、
自分で食べるのは、十分である。

最低限、必要なことはなんであろうか。
まずは、飯粒がぼそぼそ出ていない、きれいな俵型に
にぎること。まだ、少し太めかもしれないが。

そして、種と酢飯のバランス。
それぞれ大きすぎもせず、小さすぎもしない大きさ。
これには、出来上がりを想像して種を切ること。
もちろん、にぎる酢飯の量。これらを調整する。

次に、種がちゃんと酢飯に載っている、握られている。
離れない、ということ。
そして、底面が平らで、立つこと。

今は考えているのは、こんな感じであろうか。
プロは、さらにふんわりにぎる、というのが
入るのであろうが、むろん、まだまだ。

三つずつにぎれた。
もちろん、どちらもわさび。

アップ。

さよりというのは、うまいもんである。
なにしろ見た目に美しいし、他にはない食感と
上品な味。

ヅケも成功。あまいものができた。

満足満足。

 

 

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