断腸亭料理日記2021
3986号
12月7日(火)夜
さて、たらこ、いや、辛子明太子を買ってあった。
そのまま酒の肴として食べようと思って
買ったのであるが、そのままではおもしろくないので
ちょっと考えた。
なにかというと、表題のタラモサラダ。
タラモサラダというのは、皆さんご存知であろう。
じゃがいものサラダにたらこを入れたもの。
まだ私も若い20代の頃、下北沢のイタリアンであったか
居酒屋のようなところで食べたのが最初であった。
それが、かなりうまかった。
今も、それ以上のものには出会えていない。
タラモサラダというと、ほとんどはポテトサラダに
たらこを混ぜ込んだものであると思うが、その
下北沢のものは、もっともっとゆるかった。
クリーミーを越えて、ソースに近かったように思う。
タラモサラダのレシピを調べると、ほとんどが
マヨネーズを使って、たらこを混ぜただけのもの。
まあ、これでもうまいのではあるが。
そこで、プロのレシピも調べてみた。
そもそも、タラモサラダというものは、なにか。
ギリシャあるいはトルコ料理だそうである。(ウィキ)
タラモは、ギリシャ語、トルコ語で魚卵のこと。
現地では、タラコではむろんなく、塩漬けの鯉や
鯔(ボラ)の卵を使うとのこと。
少し前に魚卵をよく食べるのは日本人とロシア人、
というようなことを書いたが、これは嘘であった。
地中海、このあたりの人達も、魚卵をよく食べていた。
鯔の卵の塩漬けは、日本ではご存知のからすみだが、
イタリアで食べたことがあった。イタリアンでは
チーズのようにおろして粉にするという使い方で
あったか。
ともあれ。
プロのレシピを調べると、じゃがいもはクリーミーになる、
というので、メークイーンを使う。また、マヨネーズを使わず、
EXヴァージンオリーブオイルとレモン汁、おろし
にんにくを入れるよう。
手持ちのものは辛子明太子であるが、まあよい、
これで作ってみようか。
EXヴァージンオリーブオイルとメークイーンを
買ってくる。
家にあった男爵と買ってきたメークイーンを洗っておく。
せっかくなので、男爵+マヨネーズで
ノーマルなもの、メークイーンでプロレシピを
作って比べてみようと考えたのである。
じゃがいもは、蒸す、最近はレンジも簡単だが、
メークイーンは鍋でゆでる。
クリーミーになるという。
ただ、時間がかかるので、圧力鍋。
鍋でゆでても30分程度はかかるが、
火をとめて置いておけばよいので、圧力鍋。
男爵の方は、いつも通りラップをしてレンジ
6〜7分。
やはり、レンジは堅く火が通る。
皮をむく。
今日は、布巾で包みながら。
手袋でなくとも、これでもよい。
むけた。
メークイーンは加熱加圧5分、20分放置。
金串を刺すと、ちょっとまだ芯があった。
追加で、もう一度、加圧5分。
OK。
同様に皮をむき、ボールへ。
つぶし、切った明太子、EXヴァージンオリーブオイル、
おろしたにんにく1片分、レモン汁、ちょいと塩。
なるほど、メークイーンはつぶしていくと、
ねっとりとしてくる。ていねいにこねるように
仕上げる。
男爵の方は、つぶしてマヨネーズだけ。
みじん切りパセリも散らす。
両方、皿にのせてみた。
どちらがどちらであるか、おわかりになろうか。
右がメークイーン、左が男爵。
ビールを開けて、食べる。
ん?!。
これ、はっきりいうと、同じようなもの。
これだけ手間をかけて、なのであるが。
もちろん、どちらもタラモサラダとして
普通にうまい。
むろん、メークイーンの方がクリーミーで
口当たりはよく、EXヴァージンの香りも強い
のはわかるのであるが、、、。
結局、大幅に違うのかといえば、そうでもない、
というのが結論、なのである。
男爵のマヨネーズには玉子が入っているはずであるが、
その違いがわからないのである。
メークイーンの方にもレモンが入り酸味があるのは
同じ。
タラコではなく辛子明太子を使ったのはどちらも
同じで、ほぼわからないくらい。
メークイーンも冒頭に書いたもっともっと
ゆるいものではない。
あれを目指すのであれば牛乳でも入れるのか、、。
なぁーんとなく、肩透かし、で、ある。
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