断腸亭料理日記2021
3987号
12月9日(木)夜
今日は鯵のにぎり。
しばらく前から食べたかった。
鯵の旬というのは、ほんとうは夏であった。
ただ今は、ご存知の通り温暖化で、魚の獲れる場所も時期も
大きく変わっているのでなんとも言えなくはなっている
とは思う。
真冬を前にした今だが、まあよいであろう。
吉池にきてみる。
鯵というのは年がら年中あるが、対面コーナー。
お、珍しい。頭の後ろに包丁が入ったものがある。
鯵では私は見たことがない。
活け締め、であろう。
大分佐伯とある。
関鯖・鯵の佐賀関の南。
一匹240円。
この上に、三重産というのもあるが、
活け締めの方が安いというのはお買い得
なのではなかろうか。
これにしてみよう。
帰宅。
これ。
ほう、釣り、で、あったか。
釣っているから、活け締めができる、
ということなのであろう。
今日は、〆ずに生でいこうと考えていた。
まあ、活け締めのものを、わざわざ〆ることは
もちろん、ないのだが。
三枚におろす。
これは、いつも通り。
特に問題はない。
ただ、活け締めの効果か、気のせいか
身がしまっているように感じる。
ここまでやって、冷蔵庫に入れておく。
飯台の箍(たが)が緩んでいるので、濡らしておく。
これもいつも通り。
木製の飯台は乾くと木が縮んで箍がゆるゆるになる。
濡らして、木を膨張させて〆ないといけないのである。
〆るのに1時間以上はかかろうか。
米を洗って、カタメモードで炊く。
切れたら、タイマーで計って7分蒸らし。
この間に、鮨酢の用意。
これもいつも通り、一合の飯に、赤酢:穀物酢、
7:3程度で40cc。
タイマーが切れた。
飯台に二合炊いているので半分を取る。
すぐに用意した鮨酢をかけ回す。
しゃ文字で切るように混ぜる。
とにかく手早く。
もう寒くなってきたので、すぐに冷めてしまう。
酢飯を作るメカニズムというのは、炊きたての
飯の熱で、酢の水分を飛ばすのである。
ベチャベチャの酢飯など食べられたものではない。
こんなものかな。
冷めてきたら、すぐに手を止めなければいけない。
粘りがでてきてしまう。
また、タイマーで7分。
ここの時間も酢飯作りには大切。
酢をかけられた飯粒の表面はまだまだ湿っている。
この湿りを落ち着かせるのである。
通常の飯の場合も蒸らすわけだが、炊き立てでは
米の粘り気が残っている。
関西ではこの表面がねばねばしている状態で
食べることも多いようだが、関東では好まれない。
ともあれ。
置いている間に、冷蔵庫から三枚におろした
鯵を出し皮を引く。
身が堅いので、なかなかむきずらい。
ちょっと、身が裂けてしまった。
半身でにぎり二つ分に切る。
今日は、表側に縦に飾り包丁を入れてみる。
鯵はわさびではなく生姜。
おろしておく。
タイマーが切れた。
OK。にぎる。
手を湿らせ、一つ分の酢飯を取り、左手の上で
にぎりの形にする。
ここに一つ分の種をのせ、にぎる。
にぎれたら、上にしょうが。
とりあえず、四つ。
アップ。
上から、しょうゆをたらす。
ビールを開けて、つまむ。
光物というのは、好物。
鮨ねたのなかではNo.1である。
中でも皆さんもそうであろうが、鯵というのも
年がら年中あり、頻繁に食べるがこれは、
ちょっと別格である。
活け締めの効果、なのであろう。
こんなもの、と思っていたが、やっぱり、
生ぐさかった。
そして、身の張りも違う。
こんな鰺を食べたらもはや、活け締めをしていない
ものなど食べられなくなってしまうではないか。
困ったものである。
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